しかし、多くの国がそうであるように、フランスでも自発的に「恋愛相手」と出会うのは難しくなっているようです。数年前から、自発的な方法よりも、出会い系アプリを通じてパートナーを探すことが主流になっています。「Meetic」「AdopteUnMec.com」「AttractiveWorld」などに加えて、女性が最初の一歩を踏み出すための「Tinder」や 「Bumble」、長期的な関係を築くための「Hinge」が人気です。
女性はいつでも無料で利用できるのですが、こうしたツールが増えていることや手軽さにもかかわらず、若者たちの欲望はますます薄れているように見えます。背景の1つには、恋愛にまつわる伝統的なイメージへの抵抗があるようです。すなわち、従来の恋愛は「男性支配」に基づいたシステムとの考えがあり、これが足かせとなっているわけです。
恋愛から遠のいている若い女性たちに、「今最も大切にしているものは?」と尋ねると、「友達」という答えが返ってくることは少なくありません。
ソルボンヌ大学に通う20歳のリンダは、「友達との外出、勉強、ベビーシッター」が人生で一番大切なことだと言います。友情は恋愛より大切なわけです。彼女は親友(女性)と多くの時間を過ごしますが、男友達はいません。「そんなことはどうでもいいの。私は友達が大好きなの」とリンダは言います。
「合意」の概念が広がっている
男性側も女性を誘うのに「苦慮」しているようです。近年、セクシュアル・ハラスメントに関するさまざまなスキャンダルが報じられる中、女性のハラスメントに対する意識が高まっており、アプローチの仕方によっては、告発される可能性があることを認識しているのです。
また、女性自身も自らの性的な行動を自分で決めたいと考えるようになっており、望まない行為には「ノー」という立場をはっきりするようになってきています。性行為においても相手を満足させるためにするのではなく、自分がしたいことをして快楽を得られることを重視するようになっています。
つまり、性的行為は「互いの合意」のうえで、という意識が高まっているわけですが、より若い世代においてはこの合意がさらに関係の深化を複雑にしている側面があるようです。
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