松浦弥太郎が「必要以上の経済活動をしない」理由 「ドクター・ユアセルフ」できる自分になる
この決断をするまで、実際に考えた期間はほんのわずかです。
それができたのは、エッセイストとして日々を積み重ねてきたからこそ。
ずっと考えつづけてきたからだと思います。
自分の身の丈に合わない暮らしはしない
エッセイストとして僕は、たとえば「お金」や「投資」について考え、エッセイを書きつづけてきました。だから「お金や地位が最優先ではない」ということも、自分にとっての「ちょうどいい暮らし」がどんなものかもよくわかっていた。
また、人間の弱さへの理解も深まっていました。若いころは「お金ごときで自分は変わらない」と高をくくっていたけれど、人間というものを知れば知るほど「お金を持っても変わらずにいることはかんたんではない」と思うようになっていった。「僕もきっと悪いほうに変わってしまうだろうなあ」と素直に思えました。
人生の分岐点でエッセイストとして見つけてきた「秘密」たちをかき集め、どう生きるかを真剣に考えた結果、「自分の身の丈に合わない暮らしはしない」と決断できたのです。
いま、自分にとって心地いい豊かさを維持できていて、毎日がしあわせです。
エッセイストとして生きてきたことで、大事なときに自分で自分を守ることができた。「ドクター・ユアセルフ」を実践できたなあと感じています。
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