新藤経済再生担当相「減税や給付金で安心感を」 橋下氏「物価高対策は賛成だが論理ができていない」

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松山俊行キャスター(フジテレビ政治部長・解説委員):政府は物価上昇を上回る賃上げを来年までに実現するため、今回新たに経済対策を打ち出した。岸田首相は「可処分所得を伸ばして消費拡大につなげ、好循環を実現する」と言う。どのように実現するか。

岸田政権はなぜ国民から支持されないのか

新藤義孝・経済再生担当相:日本は30年ぶりのチャンスを迎えている。株価も賃金上昇も設備投資もいずれも30年ぶりの高水準になっている。ようやく長引くデフレからGDPギャップが、ギリギリではあるが、プラスになろうとしている。このタイミングでいかに自立して持続可能な日本経済を作れるかの大きなチャンスが到来している。コロナを乗り越えて、私たちは厳しい状況をみんな経験してきた。一方で、日本の社会は構造的に本当に変化してしまった。少子高齢化、人口減少、特に生産年齢人口はどんどん下がっていく。そういう中で、新しい経済のステージに移らなければ、私たちの未来はない。まずは目の前のこの厳しい物価高に苦しんでいる皆さんに対しての素早い対応として、低所得者世帯には給付をする。そして何よりも賃金を上昇させる。自立的な経済を動かすことが重要だ。この春が勝負になると思うが、春闘で賃上げを企業の皆さんにお願いする。その大前提は業績が上がりますよと。消費が拡大して業績が上がるんだから、それはきちんと社員に還元できますよという形を示した上で賃金上昇をお願いする。名目賃金は30年ぶりの高水準だ。でも、それ以上に物価が上がっているから実質賃金が下がっている。ならば、実質賃金をプラスにできるような賃上げをしなければならない。ただ単に企業に「上げてくれ」ではなくて、上げても業績が伸びると。賃金を上げることで人手不足も解消できると。人はそもそも足りないので、省力化投資、ロボット(の導入)やDX(デジタル・トランスフォーメーション)で新しい仕組みを経営に入れていかないと、会社の存続、発展は難しい。まずは賃金を上げてくれたところには減税をする。特に今までやったことのない新しい制度として、赤字でも賃金を上げた企業には減税をする。ところが、赤字であれば税金を払ってない。その企業が黒字を出すようになってから、その分を減税でお返しする。繰越控除という初めての制度だ。将来の黒字を見越して賃上げしてください、その効果が出た時にきちんと減税しますからと。そういうことで構造的な賃上げをもたらそうとしている。その上で、生産性を向上させるためには、大前提として供給力(強化)、働きやすく、きちんと賃金を得られるような、そういう労働力の強化をしなければならない。そのためにリスキリングをやろう、ジョブ型(雇用制度)を入れようということになる。それにより業績が拡大していく、生産性が向上する。日本の潜在成長率を上げていかなければならない。そのためには経済を引っ張る、世界で勝負できる先端産業をもっと大きくしていく。地域の産業、中堅・中小企業の設備投資、工場誘致などを促進する。こういうことを(経済対策に)入れている。何よりも大元にあるのは安心と安全だ。これだけ常に災害が起こり、かつてないほどの規模のものも頻発している。国土強靭化を進める。総合的な対策によって、私たちは民需主導の持続型成長をつくるための第一歩として今回の経済対策がある。

橋下徹氏(弁護士・元大阪府知事):僕は物価高対策には賛成だが、岸田政権が残念なのはきちんとした物語、論理、ロジックができていない。国民にとって減税はありがたいと思うのに、なぜ政権の支持率上昇につながらないかといえば、そのロジックの部分、論理の部分(ができていないから)だと思う。例えば、今回の物価高対策は来年の物価高の対策なのか、今年度、今年物価高で苦しんだ人への対策なのか。というのは、報道では、来年、食品に関してはもう物価高が鈍化していると。

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