会社に新卒(22歳)で入社して、定年(60歳)まで働いたときに取得できる総額である「生涯給料」の最新結果をまとめた『生涯給料が高い「全国トップ500社」ランキング』には多くの反響が寄せられた。本記事では東京都に本社を置く企業に限定してランキングをまとめる。
『会社四季報』2023年夏号での調査データと有価証券報告書の公開データと、厚生労働省が調査・公表している「賃金構造基本統計調査」を基に試算した。
業種分類ごとに賃金カーブ(賃金の伸び率)を算出し、それを各企業の平均年収と年齢に当てはめて金額を推計した。あくまで理論的に割り出した推計値ながら、一定の目安となるはずだ。
大卒総合職ばかりの企業と、製造現場があるメーカーとでは給与の仕組みが違うことや、男女の賃金格差が存在するが従業員の平均額としていることに留意が必要だ。
純粋持ち株会社では中枢機能を担う少数の社員だけが在籍しているケースがあり、大多数が在籍する主要子会社と年収が大きくかけ離れていることがある。こうした純粋持ち株会社については原則としてランキングの対象から除外している。従業員数、年収、年齢で欠落データがある企業も一部除外している。
また、ランキング表内で社名末尾に「*」のある会社は主要子会社のデータを採用している。
総合商社が10位までに多数ランクイン
1位はM&Aキャピタルパートナーズの13億1798万円。M&Aの仲介を主要業務とする同社は全国版でもトップだった。理論上の試算値にはすぎないものの、2位は三菱商事(7億0206万円)、3位は不動産賃貸と売買を事業の柱とするヒューリック(6億9221万円)となった。
総合商社は三菱商事のほかに、三井物産と丸紅、住友商事が10位までにランクイン。こうした待遇面での魅力も、就職人気の高さにつながっている。
対象企業の平均生涯給料は2億4233万円。生涯給料は2億円が1つの目安といわれるが、それよりも5割以上高い3億円を超える会社は211社となっている。