生涯給料とは、新卒で入社して定年まで働いたときに取得できる総額のことだ。これまで「全国トップ500社」「東京都トップ500社」などのランキングを紹介してきたが、今回は「東京を除く関東」に本社を置く会社のランキングをお届けする。
集計の対象としたのは、『会社四季報』に掲載しているうち、神奈川、埼玉、千葉、茨城、群馬、栃木の各県に本社を置く企業311社。単体の従業員数が10人に満たない場合や、平均賃金の発表がない企業は除いた。
『会社四季報』2023年夏号での調査データと有価証券報告書の公開データと、厚生労働省が調査・公表している「賃金構造基本統計調査」を基に試算した。
業種分類ごとに賃金カーブ(賃金の伸び率)を算出し、それを各企業の平均年収と年齢に当てはめて金額を推計した。あくまで理論的に割り出した推計値ながら、一定の目安となるはずだ。
大卒総合職ばかりの企業と、製造現場があるメーカーとでは給与の仕組みが違うことや、男女の賃金格差が存在するが従業員の平均額としていることに留意が必要だ。
純粋持ち株会社では中枢機能を担う少数の社員だけが在籍しているケースがあり、大多数が在籍する主要子会社と年収が大きくかけ離れていることがある。こうした純粋持ち株会社については原則としてランキングの対象から除外している。従業員数、年収、年齢で欠落データがある企業も一部除外している。
また、ランキング表内で社名末尾に「*」のある会社は主要子会社のデータを採用している。
1位のレーザーテックは5億4279万円
神奈川県に本社を置く企業が上位にランクインしており、10社のうち8社を占めた。1位は横浜に本社を置くレーザーテックで5億4279万円。半導体マスク欠陥検査装置を柱とし、マスクブランクス検査装置のシェア100%という強みを持っている会社だ。
2位はペプチドリームの3億7828万円。同社は東京大学の菅裕明教授の技術を基盤に設立したバイオ創薬ベンチャー。特殊環状ペプチドを創製する独自技術を持ち、大手製薬会社らと共同で研究開発を行うほか、技術のライセンス契約を結ぶなどしている。
3位は東京汽船の3億4126万円。東京湾全域に展開する曳船大手で国内2位という会社だ。
311社の生涯給料を単純平均すると2億1483万円。全国ランキングの平均の2億2889万円と比べると少し落ちる結果となった。