税務署に狙われる「経費」アウトとセーフの境界線 マッサージ代やスーツ代はなぜダメなのか?
もし、マッサージも経費でOKとしてしまうと、「仕事でいつも以上に疲れたし、いつも以上にお腹が減ったから今日のご飯は『経費』だ!」とか「パソコン仕事でひどく体が疲れたから、深く眠れるように高級ベッドを買った。これも『経費』だ!」と経費にできるものの範囲が際限なく広がってしまいます。
そうなると、「経費」の境界が曖昧になってしまったり、ひどく主観的になり、なんでも経費にできるという状態になってしまいます。だからどこかで「経費の許容範囲」に線引きをしないといけなくなります。そして、残念ながら現状では「マッサージ代」は経費に入れることができなくなっているのです。
マッサージが経費になる人も
この「マッサージ費用」は本当にギリギリのラインにある、残念ながら経費にならないお金の代表格だよなぁ、と個人的には常々感じています。ただし、例外的に一部経費として認められることもあります。マッサージや整体の費用が経費として認められるパターンを3つ紹介しておきます。
自分が整体師で、技術を向上させるために整体を受けるとか、エステティシャンとしてライバル研究をするために他店のエステを受ける場合は、経費に計上する余地が出てきます。これは、「調査費や研究費・研修費として計上できるパターン」ですね。
ただし、本当に事業として取り組んでいて、実際にきちんとそこで学びを得た証拠が出せることが大事です。
ただリラックスのために受けたのでは、どんな職業の人でも経費にはできないので注意しましょう。
もしもあなたがプロのスポーツ選手で、パフォーマンス向上のためにマッサージを受ける場合は、これが「直接的な仕事のための費用」になるので、経費として認められます。なんといってもスポーツ選手は体が資本ですから、体のためになる=仕事のためになる、ということですね。
マッサージ費用を「経費」ではなく「医療費控除」として申請する方法があります。「経費」にはなりませんが、同じく節税効果のある医療費控除にすることができるので、ここで紹介しておきましょう。
「腕が腱鞘炎になってしまって、もう一文字も書けない」
「腰が痛すぎて、椅子に座るのも難しい」
こんなケースの場合、マッサージ代が医療費控除の対象となります。さらに、
・はり師や鍼灸師、柔道整復師などの専門資格を持った人から施術を受けていること
この2つの条件を満たす場合は、マッサージが医療費として認められるため、控除の対象となりマッサージを受けて節税することができます。フリーランスの方は自宅をプライベート兼仕事の場として使っている方が多いですよね。
このときに、仕事場としている部屋で使うティッシュやコピー用紙などの日用品は、「消耗品費」として経費に計上することができます。
というと、「じゃあついでに家で使う日用品も一緒に買って、消耗品として経費計上しちゃおうかな」「税金高いし、どうせバレないのでは……」と考える人が中にはいます。
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