歴史と過去問に共通するもの、わかりますか? 読み書きそろばん以前の考えるトレーニング

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まず明らかなのは、過去問を解く目的は「問題そのもの」や「答えそのもの」を参考にすることではないということです。それでは過去問からは何がわかるのでしょうか。

「過去問」からわかること

過去問からわかること、それはたとえば以下のようなことではないでしょうか。

・特定の範囲からの出題が多い、少ないといった「出題範囲」

・マークシート形式か記述式か、記述式なら何文字程度か、作文するうえでの自由度や制限事項といった「解答形式」

・時間に対しての出題数や文章の分量等の「量」

・易しい→難しい、逆に難しい→易しい、あるいは順番と難易度が無関係であるといった「順番」や「構成」

・(数回分を見た場合)過去から現在にいたる出題の傾向の時間的変化(だんだん難しくなっている、あるいは回によって出題のばらつきの有無)……

これらはいわゆる「出題傾向」という言葉で表現できるものかと思います。過去問からわかる「傾向」は、個々の問題の話ではなく、それらをまとめた場合の全体のバランスや関係性ということになるでしょう。

これは「具体と抽象」という観点から整理することができます。

(*外部配信先では図や画像を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)

ここでの具体と抽象との関係は以下のようなものです。

・実際に出題された問題そのものが具体で、そこから特徴を抜き出したものが抽象

・個々の問題が具体で、それらをまとめた傾向が抽象

・一つひとつ違うのが具体で、それらに共通する性質が抽象

したがって、個別の過去問を実際に解いて答えを出してみるというのは、具体のレベルでの対策をしていることになりますが、本当に重要なのはここから抽象レベルの教訓を得ることなのです。

別の表現をすれば、試験対策をするというのは、具体のレベル(個々の問題ができるようになること)と抽象レベル(それらを実際に限られた時間や制約の中でどのように優先順位をつけて時間配分をうまくするか)の大きく2つのレベルの話だったのです。具体レベルでは繰り返される可能性が低くても、抽象レベルで繰り返される可能性は高くなるということになります。これが過去問を研究することの大きな意義です。

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