相鉄ゆめが丘、横浜の「ポツンと郊外駅」の大変貌 2024年夏、地下鉄下飯田との間に「集客施設」

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ゆめが丘駅はいずみ野線が湘南台まで延びた1999年に開業した。相鉄は同じく縁起がよい駅名である本線の希望ケ丘との間の硬券乗車券「ゆめきぼ切符」を販売している。とくに受験シーズンになると、そうにゃんが描かれた絵馬をプレゼントしたり、両駅に絵馬がけを設置したりと、キャンペーンを展開するのが恒例だ。

高架上のホームは楕円のような形の鉄骨に囲まれた近未来的なデザインが特徴。シンガーソングライター、あいみょんのCDジャケット写真が撮影されたことから“聖地巡礼”に訪れるファンもいるようだ。

高架のゆめが丘駅は近未来的デザイン
ゆめが丘駅は近未来的なデザインの駅舎が特徴。手前の空き地は共同住宅・店舗の建設予定地(記者撮影)

緑園都市駅とともに「関東の駅百選」に選ばれている。緑園都市駅は周囲に大型マンションや戸建ての住宅地が広がり、1日平均乗降人員は2万225人(2022年度)。いずみ野線の途中駅で最も利用者が多い。東口には、フェリス女学院大学緑園キャンパスが位置するほか、梅田スカイビルやJR京都駅ビル、札幌ドームで有名な建築家の原広司氏が手掛けた相鉄文化会館がある。

相鉄で1日平均乗降人員が最少

一方、ゆめが丘駅はこれまで駅周辺に畑や空き地が目立ち、1日平均乗降人員は2227人(同)と相鉄全線で最下位にとどまっていた。

長らく郊外にポツンと取り残された宇宙船のような存在だったが現在、駅前では「泉ゆめが丘地区土地区画整理事業」が進行中。東西約550m、南北約900m、面積約24万㎡に及ぶエリアで商業施設や住宅、病院などが次々と建てられる。相鉄グループの相鉄不動産は木造賃貸マンションを建設する。

2024年夏には中心となる「大規模集客施設」がオープンする予定。10スクリーンの大型シネマコンプレックスや約140のテナントが出店、屋上には約3000㎡の遊具付き公園を整備する。事業主体の相鉄アーバンクリエイツと相鉄ビルマネジメントは2023年8月、施設名称が「ゆめが丘ソラトス」に決まったと発表した。「ゆめが丘の広大な空をイメージ」して命名したという。

ゆめが丘ソラトス 工事現場
駅前では大規模集客施設「ゆめが丘ソラトス」の建設工事が進む(記者撮影)
ゆめが丘ソラトス 南側から
南側から見た建設中の「ゆめが丘ソラトス」。約140の店舗が出店予定(記者撮影)

相鉄アーバンクリエイツの担当者、小池弦さんは「都心からほどよい距離感でありながら四季折々の自然に触れ、地元の農作物生産者との交流などを通じ心地よさが感じられる街づくりを目指したい。『地域資源を生かした体験交流型施設』としてその中心的役割を果たしていきたい」と強調する。

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