京急、名称消滅「エアポート急行」13年半の変化 11月25日以降は「急行」、空港連絡以外も活躍

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京急2000 エアポート急行表示
京急「2000形」の行き先・種別表示。飛行機の絵文字を頭に付けて「エアポート急行」と読む。2000形も「新逗子」の駅名も今はない=2018年2月(記者撮影)
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「エアポート急行」は羽田空港へのアクセスを担う京浜急行電鉄独自の列車種別だ。京急ユーザーであれば、行き先表示の「飛行機の絵文字」と「急行」の組み合わせでエアポート急行と読めてしまうほど沿線に浸透している。「エア急」の略称でも親しまれてきた。

京急は10月24日、11月25日に実施するダイヤ改正で「列車種別『エアポート急行』の名称を『急行』に変更」すると発表した。停車駅については変更はない。

京急の担当者は「羽田空港方面へ行かない電車も『エアポート』を名乗っていたので、外国人の利用も考慮して、名称をわかりやすくすることにした」と説明する。駅の案内表示などは順次変更する方針。一方、成田空港方面の「エアポート快特」の名称は継続する。

2010年に登場したエア急

エア急は2010年5月16日のダイヤ改正で誕生した。羽田空港発のエア急には品川方面と横浜方面の2通りがある。それまでは横浜方面へ直通する列車は、快特に京急川崎で連結、金沢文庫で切り離す4両編成で運行していた。

横浜方面のエア急は羽田空港第1・第2ターミナルを出発すると京急蒲田まで各駅に停車。同駅で方向転換して京急川崎へ向かう。その後は京急鶴見、神奈川新町、京急東神奈川、横浜、日ノ出町、井土ヶ谷、弘明寺、上大岡、杉田、能見台、金沢文庫と、京急本線の比較的利用者が多い駅に停まる。金沢八景からは本線を離れ、逗子線の各駅を経て終点の逗子・葉山に到着する。

とくに横浜エリアでは空港に用事がない人も重宝する種別だ。南太田で「快特」や「特急」といった優等列車の通過待ちをしないことから、エア急ができるまで普通電車しか停まらなかった井土ヶ谷や弘明寺など中規模駅の利用者にとっては、横浜への所要時間が大幅に短縮された。また、京急東神奈川でJR横浜線と乗り換えられることから新幹線を利用する場合も利便性が高い。

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