「ChatGPT導入」に及び腰の日本の金融機関の末路 世界の企業は新しい方向への準備始めている

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みずほ銀行は、全社員の業務で対話型AI(人工知能)の利用を始めた。利用するのは国内の社員およそ3万5000人で、セキュリティーは外部からアクセスできないネットワークで管理することで確保した(2023年6月27日、テレ朝news)。

三菱UFJ銀行では、一部の行員が稟議書の作成にChatGPTを活用している。ChatGPTの活用によって、稟議書作成に必要な情報を収集する。また、ChatGPTに稟議書の内容を添削してもらうことで、記入漏れや間違いを防ぐ(2023年7月24日、東洋経済オンライン)。

3メガバンクは、情報流出対策に万全を期すため、一般に公開されている対話型AIの使用は禁じている(2023年5月5日、朝日新聞デジタル「対話型AI、メガバンクも活用へ でも一般向けChatGPTは厳禁」)。

大和証券はChatGPTの利用を開始

大和証券は、全社員を対象に、ChatGPTの利用を開始した。「Azure OpenAI Service」を利用し、情報が外部に漏れないセキュリティ環境により、すべての業務に利用可能になる。以下のような効果が期待できる(2023年4月18日、日本経済新聞)。

・ 英語等での情報収集のサポートや、資料作成の外部委託にかかる時間の短縮や費用の軽減
・ 各種書類や企画書等の文章、プログラミングの素案作成に用いることで、お客さまと接する時間や企画立案等、本来業務に充てる時間の創出
・ 幅広い社員が利用することによる、活用アイデアの創出 

野村證券は、AIチャットボット「Alli」を資産管理アプリ「OneStock」に導入した。「Alli」導入後、FAQの回答精度が向上し、また、運用体制も以前の3名からほぼ1名体制へと変化した(2022年7月6日、Allganize Japan)。

みずほ証券は、みずほ証券版ChatGPTである「MOAIチャット-Build on ChatGPT」を全役職員を対象に導⼊した。想定活⽤ケースは、つぎのとおり(2023年7⽉28⽇、みずほ証券、2023年度第1四半期決算説明資料)。

• 議事録やレポート等の⽂章作成
• マニュアル/ルール等の社内⽂書検索
• プログラミングコード⽣成、開発業務効率化
• マーケティングやコンプライアンス業務での活⽤
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