「ChatGPT導入」に及び腰の日本の金融機関の末路 世界の企業は新しい方向への準備始めている

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論文2は、金融でChatGPTを利用すれば、顧客サービスのコストを削減し、顧客に対して迅速かつ正確な回答を提供できるとする。そして、つぎのように指摘している。

銀行は、顧客と担当者との間の会話を自動化することによって、単純な質問への回答や口座情報の確認等の単調なタスクにかかる時間を削減することができる。問い合わせへの回答を自動化することは容易であり、これにより、担当者はより複雑な問題に集中することができる。

ChatGPTは、顧客の金融ニーズや目標に基づいてパーソナライズされたアドバイスや提案を提供できる。顧客のリスク許容度や目標に従って、パーソナライズされた投資アドバイスを提供し、賢明な決定を下すのを支援する。

論文3は、つぎのように指摘する。生成AIは、第1に、リスク管理における低付加価値のタスクを引き受けることによって、効率性を向上させる。第2に、現在、フロントラインでの仕事は顧客との対話に費やされているが、生成AIは、フロントラインの従業員にデータへのアクセスを提供することで、顧客体験を向上させる。第3に、生成AIは、バックオフィス業務に関連するコストを削減する。第4に、生成AIは、ソフトウェア開発で役立つ。 

銀行はどのように利用しているのか

日本の金融機関での利用状況を見てみよう。まず銀行。

三井住友フィナンシャルグループは、従業員を支援する対話ソフトを独自開発し、業務に導入する。具体的には、「特定の企業の融資の判断に必要な資料を作ってほしい」などと入力すると、財務情報などをもとに草案を作成する。

また、社内の経理手続きなども、質問すると具体的な方法を回答してくれる。入力した情報については、外部からアクセスできないネットワークで管理するため、セキュリティーは確保されるとしている(2023年4月11日、NHK)。

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