中国AIスタートアップ「創業半年で450億円」調達 アリババ、テンセント、シャオミがこぞって出資

✎ 1〜 ✎ 1337 ✎ 1338 ✎ 1339 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

舞い戻ってきた王氏は、百川智能の創業を通じて生成AIの基盤モデルの1つである大規模言語モデル(LLM)の領域で成功を目指している。

同社の社員数は(現時点で)170人余り。その8割以上を研究開発系の人材が占め、コアメンバーは(王氏の古巣である)ソーゴウのほか、中国のネット検索最大手の百度(バイドゥ)、ショート動画大手のTikTok(ティックトック)などを運営する字節跳動(バイトダンス)、アメリカのマイクロソフトなどの出身者だという。

百川智能は無料で利用できるオープンソースの4つのLLMと、クローズドソースの2つのLLMをすでに発表済みだ。9月25日には、そのうちの1つに対応するAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース、外部のシステムと連携させる仕組み)を公開し、企業間ビジネス向けの商用化のプロセスに進んでいる。

独自の優位性を発揮できるか

とはいえ、生成AIの開発競争は熾烈だ。中国のIT大手は(LLMの開発段階から)自社サービスへの生成AIの実装段階に進みつつある。

中国IT業界では大手企業が生成AIの開発を激しく競っている。写真は百度の生成AI「文心一言」の発表イベントでスピーチする創業トップの李彦宏氏(百度の配信動画より)

アリババの新CEOに9月に就任した呉泳銘氏は、「用戸為先、AI駆動(ユーザーを第1に、AIを駆使する)」というグループ戦略のスローガンを打ち出した。テンセントは、自社開発のLLM「混元(フンユエン)」を広告、ゲーム、SNS、ウェブ会議などの事業に応用する試験運用を始めた。

本記事は「財新」の提供記事です

また、LLMの開発で相対的に先行する百度は、「文心(アーニー)」と名付けた生成AIの実装を検索エンジン、文書共有サービス、個人向けメディアプラットフォームなどに広げている。

そんななか、スタートアップの百川智能は独自の優位性を発揮できるのか、王氏の手腕が注目される。

(財新記者:杜知航)
※原文の配信は10月17日

財新 Biz&Tech

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

ザイシン ビズアンドテック

中国の独立系メディア「財新」は専門記者が独自に取材した経済、産業やテクノロジーに関するリポートを毎日配信している。そのなかから、日本のビジネスパーソンが読むべき記事を厳選。中国ビジネスの最前線、イノベーションの最先端を日本語でお届けする。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事