ホンダ「N-BOX」軽=セカンドカーの概念を変えた キープコンセプトながら熟成度が増した新型

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スタータースイッチを押すと、静かにエンジンが始動する。上下に動かすタイプの一般的なシフトレバーを「D」レンジまで押し下げ、アクセルをゆっくりと踏み込む。すると、低速から豊かなトルクが発生し、とてもスムーズに発進する。

カスタムのターボ車が搭載するパワートレーンは、先代モデルと同様の最高出力47kW(64PS)/6000rpm、最大トルク104N・m(10.6kgf・m)/2600rpm。とくにトルクは、比較的低い回転域で最大値を発揮するため、軽自動車としてはかなり余裕の発進加速を実感できる。

ちなみに、新型では、先代モデルと同様に、電動パーキングブレーキを採用しており、アクセルを踏み込んで発進すれば、パーキングブレーキが自動で解除される。従来のワイヤーを使った機械式タイプと比べ、パーキングブレーキを解除し忘れたまま走ることがなく、とても便利だ。

新型N-BOXのリヤビュー
今回試乗したN-BOXカスタム(FF)ターボ車のリヤビュー(写真:三木宏章)

なお、新型の車体サイズは、カスタムとスタンダードの両方で、全長3395mm×全幅1475mm×全高1790~1815mm、ホイールベース2520mm。この数値は、先代モデルとまったく同じで、デザインは変わっているが、車格は同様だ。

また、室内サイズは、長さ2125mm×幅1350mm×高さ1400mm(スロープ仕様車を除く)。先代モデルが長さ2240mm×幅1350mm×高さ1400mm(スロープ仕様車を除く)だから、室内の長さだけ115mmほど短くなったが、この程度の差であれば、元来持つ広々した空間はほぼ変わらないといえるだろう。

N-BOXカスタム(FF)の市街地走行

N-BOXカスタム(FF)ターボ車の試乗シーン
N-BOXカスタム(FF)ターボ車の試乗シーン(写真:三木宏章)

30~40km/h程度の速度で走る市街地では、アクセルをさほど踏み込まなくても、十分に流れに乗ることができる。こうした点も、かなり乗用車的な乗り味だ。また、登り坂にある信号などで停車し、再発進するときも、あまり加速でもたつくことはない。乗用車から乗り換えたユーザーなどでも、いつもと同じような感覚で、普通に乗ることができる点も、N-BOXターボ車の魅力だといえる。

加えて、新型モデルでは、CVT(無段変速オートマチック)の制御も改良されており、変速がよりスムーズになった。例えば、前方の信号が赤になったことで、早めにアクセルをオフにし、停止位置まで惰性で走る燃費走行をする際。ある程度速度が落ちると変速するのだが(無段変速のCVTでは擬似的シフトダウン)、従来モデルであれば、わずかに変速のショックがあったあとにグンっと速度が落ちる感じだった。それが、新型モデルでは、そうしたショックや急な減速がなく、停止位置までゆるやかな減速を続ける感じだ。速度の落ち方がよりスムーズになったことで、車体の姿勢変化も少なく、快適性が増した印象だ。

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