それは次のような状態で接していくということを意味していると考えています。
「思春期の子には特に、人格を持った一人の人間として尊重しつつ対応する」
この言葉を聞いて、「いや、まだ子どもなんだから、尊重以前に親の言う通りにさせる必要がある」と思う人もいるかもしれません。
確かに、子どもは大人ほど人生経験がありません。間違ったことをしたり、生活習慣が乱れたりするかもしれません。その場合は教えてあげる必要があります。
しかし、教えるというのは、“上から目線”の代表的声かけである「指示」「命令」「脅迫」「説得」ではありません。教えることは、叱る怒るとも異なります。もし、叱り口調で子どもに“教えて”いるとしたら、子どもは、教えられているとは思わず、それは怒られているとしか受け取りません。
思春期を迎えた子どもと“大人”として接する
特に思春期の子どもは、自我がはっきりしてきており、上から目線の言葉を特に嫌います。親としては教えていると思っていても実際はそうではなく、親子関係を悪化させるだけに至っているかもしれないのです。
親は子どもが小さい頃から育ててきた経緯があるため、子どもを自分より下の存在だと思いがちです。しかし、子どもは親のことを上の立場の人とは思っていない可能性があります。例えば、親に対してタメ口をきいたり、反発したり、言うことを聞かないことがあります。もし、親を上の立場であると認識していれば、江戸時代の武家の家庭のように、タメ口や反発などありえません。
ということは、子ども側から見れば、上の立場でもない人から、「指示」「命令」「脅迫」「説得」をなぜ受けなければいけないのかと思っているかもしれないのです。そのように受け取れば、思春期を迎えた子どもが反抗することも当然の結果であると考えられます。
以上のように、思春期は単なる子どもから大人への変わり目であるというだけでなく、反抗という形で、「親のこれまでの対応を変えてほしいというメッセージ」であると考えてみてください。時には、子どもを叱る怒ることもあるかもしれませんが、通常は一人の人格を持った人間として接してみるのです。
そのような接し方をしていると、親がイラッとするような反抗は少なくなると思います。そして、逆に、思春期を迎えた子どもと「“大人”としての楽しい会話」ができるようになっていきます。
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