ソニーにチャンス到来「AI再参入」へ3つの勝ち筋 日本企業に波及「AI汎用化」のパラダイムシフト

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アフィーラについてさらに興味深い点は、詳細は明かしてくれてはいないのですが、開発チームの重要なポジションにEpic Gamesが参画している点です。当然ですがゲームの世界は早くからAIを活用してきた業界です。そしてソニーグループ内部にもソニーインタラクティブエンタテインメントによる人気ソフト「グランツーリスモ」シリーズの開発チームなどAIに通暁した人材が控えています。

車をAIで変えるというのが今、自動車業界を挙げての重要テーマになっているのですが、トヨタ、日産ルノー、VW、GM、フォードといった足かせのある既存勢力よりもこの分野を変えやすいという視点では、ソニーホンダが独自のAIアプリケーションでモビリティの世界を変えていくというのは、AI再参入の視点としてはアリだと思います。

とはいえソニーホンダのAI参入はレッドオーシャンです。それと比較してブルーオーシャンで独自のAI育成に集中できるという点では、2番目のaiboの切り口のほうが興味深いかもしれません。

生成AIとスマートスピーカーは好相性

生成AIのアプリケーション分野として市場が大きいものの一つに、スマートスピーカーがあります。アマゾンのエコーに搭載されているアレクサがその代表例です。

スマートスピーカーは話しかけることによって天気予報のような情報を返してくれたり、命令することによって部屋の明かりやテレビをON/OFFしてくれたり、お気に入りの音楽を流してくれたりといったものが現在の主なアプリケーションです。

ところが生成AIが出現したことで、この適用領域が広がりそうです。つい先日、オープンAIから「ChatGPTの能力が上がった」という発表がありました。ChatGPTは新たに「見る、聞く、話す」という能力を身に付けました。これまで文字入力に対して文字を返してきていた生成AIが、話しかけるとそれを聞き取って声で返事をしてくれるようになったのです。

この変化でスマートスピーカーは近い将来、人間の話し相手になりそうです。暇つぶしの相手になってくれるのです。

さてソニーのaiboはAIを搭載したペットロボットで、可愛い感じで家の中を歩き回って人間を癒やしてくれるのが主なアプリケーションです。そのためこれまではスマートスピーカーと完全に切り分けられた存在でした。

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