日経平均が再上昇する重要なシグナルが点灯した 「高値を抜くための戦い」はこれからが本番だ
実際は、3万1500円どころか、その下があった。当初の下げはアメリカの混乱で同国債が売られ、長期金利が上昇するという「悪い金利上昇」に過度に反応したのが原因だ。だが、アメリカよりも日本株の下げが激しかったことで、「何か日本国内に隠れた悪材料があるのか」との不安が広がった。
3万1500円を割れたことで、高値での「大きなしこり」を作ることになっただけでなく、3万1000円を割り、4日はザラバで3万0487円まであった。
3万0500円前後は2021年の高値で、テクニカル面でも非常に重要な水準である。ここまで下げたことで、市場は総悲観となり、勢いに乗った売り方は「日経平均3万円割れ、相場崩壊」まで想定し、大量の売り物がたまった。
「自動売買に弱い日本株」の体質が露呈した
前出の日経平均3万0500円前後の水準は、昨年の2022年は1度も抜けなかったガチガチの「上値のカベ」だった。だが、今年の大発会を起点とする上昇相場で抜いたことで、今度は「重要な下値支持の岩盤」に変わった。
5日に日経平均が反発して3万1000円台に戻ったことで、まさに上記のテクニカル面での見方が機能し、一気に買い戻し相場が爆発。今度は一転して、10月12日まで予想外の1967円もの急騰(10月)となった。
前出のとおり、今回の日経平均の急落と、直後の急騰の原因はアメリカ長期金利の変動による。だが、同国の10年債利回りとの関係でいうと、日経平均は4.8%前後で急落して4.6%前後で急騰したことになる。
結局、アメリカの長期金利が、たった0.2%前後の範囲で動いただけで、日本株はこれだけ変動したわけだが、AI(人工知能)を駆使した先物の自動売買に極めて弱い体質があることをあらためて認識させられた。個人投資家の方々は、今後とも冷静に対応しなければならない。
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