日経平均が再上昇する重要なシグナルが点灯した 「高値を抜くための戦い」はこれからが本番だ
しかも、インフレ懸念が続くアメリカ、デフレ懸念のある中国、低成長が続きそうな欧州ということになれば、世界の投機資金の向かうところはおのずと狭まってくるはずだ。
また、国内の資金量で見ても、9月のマネーストック(M3)は前年同月比+1.8%の1591兆3000億円となっている。これは、新型コロナウィルスの「5類感染症移行」などの理由もあり、過去最高だった8月からは3兆4000億円減っているものの、引き続き高水準だ。
「戦い」はこれからだ
ただし、「反転態勢に入った」と言っても、13日現在の日経平均は3万2315円だ。日経平均が高値をつけた7月だが、同月の3万3000円台での東証プライム市場の売買高合計は200億株を大きく超えている。含み損を抱えている人も多くいることから、高値を抜くための戦いはこれからが本番だ。
さらに、兜町筋と話をしていて意外に思うのが、今回のイスラエルとイスラム組織ハマスの衝突に対する注目度の高さだ。経済やファンド運用への影響度は、ウクライナ戦争に比べればはるかに小さい。なのに、なぜか兜町は気にしている。その理由はウォール街にあるようだ。
ウォール街とユダヤ資本の関係は昔から言われてきたことだが、ウォール街はアメリカの学生たちの間に広がっている「反ユダヤ」容認の気配をかなり気にしているようだ。学生たちは、今回の事変の歴史的本質を知っている。
ウォール街にしてみれば、ウクライナ戦争に対する世論に比べると、嫌な雰囲気だと警戒しているようだ。そんな雰囲気が、お金の動きに敏感な兜町にも伝わっているとみられる。このあたりはしっかり見極めたい。
(当記事は「会社四季報オンライン」にも掲載しています)
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