日経平均が再上昇する重要なシグナルが点灯した 「高値を抜くための戦い」はこれからが本番だ
しかし、今回の異常ともいえる上下動が、まったく意味がなかったわけではない。日経平均は、大発会から7月3日までを「上昇第1波動」とすると、約3カ月に及ぶ調整局面を終え、ようやく「上昇第2波動」開始のシグナルが灯ったといえよう。
重要な上昇シグナル点灯、岸田政権の政策も評価へ
筆者がいつも重視している、買い方と売り方の勢力を表す「移動平均総合乖離」(25・75・200日移動平均線の乖離率の合計)で見ても、この値はプラスに転換しており、買い方が有利な情勢だ。
また、簡単にいえば売り場か買い場かの目安ともなる騰落レシオ(25日)も、9月25日の141%から急激に下がり、13日現在では買い場ともいえる81%台になっている。
一方、ファンダメンタルズ(基礎的条件)で見ると、デフレ脱却相場のカギとされていた半導体の需要が回復に向かっており、これでハイテク系と、自動車などのバリュー系との2本柱が整ったことになる。
企業業績面で見ても悪くない。10月13日現在の日経平均予想EPS(予想1株利益)は約2108円と、戻り歩調だ。また、IMF(国際通貨基金)の世界経済成長率予測で見ても、先進国の中で日本は相対的に高い成長予測(2023年2.0%、2024年1.0%)となっている。
その中で、岸田政権が景気対策として5本柱を示し、さらに減税政策の検討や、運用大国への決意を世界にアピールしたことで、世界の投資家から見れば、「2023年の2%のあとの2024年のたった1%成長」など、許されない状況になっている。
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