「中国人の健康志向」が高まりつつある本当の理由 コロナ流行が「養生消費」に拍車をかけ急拡大

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その背景には生活レベルの改善に伴う健康意識の向上がありますが、さらに新型コロナウイルスの感染拡大以降、養生に気を配り、免疫力アップを図ろうと、食生活の改善や運動、サプリメントの摂取などを実践する人が増えているのです。

「健康中国2030計画」とは 

ひとくちに養生と言っても多岐にわたりますが、ここではスポーツ関連の動向を中心に取り上げたいと思います。

もともと中国政府は国民の健康促進のため、2016年10月に「健康中国2030計画綱要」を打ち出していました。健康生活の普及や医療サービスの完備、健康関連産業の育成などを推し進め、2030年までに国民の平均寿命を79歳にまで延ばすという目標を掲げています。

そこでオリンピック熱の高まりを活かそうとした中国は、2020年東京夏季オリンピック開催中の2021年8月上旬に「全民健身計画(2021─2025年)」を公布しました。同計画は「健康中国2030計画綱要」の実施版として、国民の健康水準を引き上げ、フィットネスに対する意欲を高めることを目的としています。

具体的には、関連施設の充実をはじめとする一連の取り組みを進め、普段からフィットネスやスポーツをする人口を現在の37.2%から、38.5%以上にまで増やそうとしています。同時に、2025年にスポーツ関連産業規模を5兆元に拡大する目標も明らかになりました。

また、中国政府は2020年から新型コロナウイルス対策の一環として打ち出した「インターネット+スポーツ」を継続的に推し進めると見られます。デジタル技術やアプリを活用した気軽なフィットネスを普及させようとしているのです。こういった政策の後押しもあり、スポーツアプリが成長を遂げています。

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