
エリツィンから見たプーチン
松本:前回はKGB(ソ連国家保安委員会)時代、諜報活動に勤しむドイツ語も流暢なプーチンが、ソ連崩壊後レニングラードに帰ってきて市長を手伝い、そこからエリツィンに見出されて首相になっていった……というお話でした。
ちょうど21世紀になった頃にプーチンは権力を握ります。「首相から大統領に任命される」――これは大きな飛躍だったと思います。茂木先生、このあたりの事情はどのようなものだったのでしょうか。それだけエリツィンから信頼されていたということでしょうか?
茂木:エリツィンが心臓発作を起こしたときに、プーチンを後継者に指名しました。エリツィンから見ると、プーチンは自分に忠誠を誓うKGBの有能な若手幹部の「プーチンにやらせよう」ということだったのでしょう。実際に、プーチンはエリツィンにはまったく逆らっていない。