「外国人ドライバー」活用をはばむ3つのハードル 今の労働条件でどれほどの外国人が希望するのか
こうした「揚げ足取り」ともいえるような日本語の微妙な表現の誤りを問題にされると、多くの外国人は太刀打ちできないだろう。日本語能力試験N2レベル(5段階中上から2番目のレベル)の日本語能力を持っていることが、合格するための最低要件になるのではないか。
実際に外国人ドライバーを採用しようとしたときに、メインターゲットになるであろうN3以下の非漢字圏(インドネシア、ベトナム、ネパール、ミャンマー、スリランカ、モンゴル等)の外国人には相当ハードルが高いはずだ。必要な免許を取らせるまでに、日本人の倍以上は時間がかかると考えておいたほうがいいだろう。
日本独特のルールや慣習
(2)「ルールや慣習」のハードル
母国と日本の「ルールや慣習」の違いもハードルになる。日本の道路事情や複雑な交通ルールを完璧に理解し、安全に運転できるようになるまでには時間がかかる。たとえば交通ルールに関していうと、日本と同じ「左側通行・右ハンドル」の国は世界的にみると主流ではない。
日本で働く人材が多いベトナム、フィリピン、ミャンマー、モンゴルといった国は「右側通行・左ハンドル」である。 プライベートで普通車を運転するのならともかく、大型のトラックやバスを母国と違うルールに従って乗りこなせるようになるには一定の時間が必要だろう。
また、交通安全や運転マナーの常識が日本人とは違う外国人もなかにはいる。これに関して、日本で免許を取って日常的に車の運転をしているベトナム人留学生が、ベトナムと日本との交通事情の違いについてこんな話をしてくれた。
「ベトナムでは運転中、普通に何度もクラクションを鳴らします。突然誰がどんな動きをするか予想できませんから。割り込みもごく当たり前です。遠慮していたら、いつまで経っても目的地に着けないですしね。日本ではドライバー同士で暗黙のルールがあるじゃないですか。このケースはどっちが譲らなければならないとか。そういったルールがわかるまでは運転に苦労しましたね。事故になりかけたことも一度や二度ではありません」
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