「外国人ドライバー」活用をはばむ3つのハードル 今の労働条件でどれほどの外国人が希望するのか

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(1)「言語」のハードル

ドライバー職に就くには当然、必要な運転免許を取らなければならない。まずこれが高いカベになる。普通免許であれば、英語や母国語でも試験を受けられるのでハードルは下がるが、客を乗せるバスやタクシーのドライバー職は第2種免許が必要となる。第2種免許は外国人の例外措置が設けられておらず、必ず日本語で受験することになっている。日本人でも内容が難しい試験を、日本語で解かなければならないのだ。

この点「身分に基づく在留資格」を持つ外国人であれば、日本在住期間が長くて日本語能力の高い人が多いので、超難関とは言えないかもしれない。だが今回認めようとしているのは、特定技能の外国人ドライバーである。採用段階で、第2種免許試験に短期間で合格できるくらいの日本語能力を持っている人は少ないはずだ。

外国人には難しすぎる試験問題

そもそも第2種免許試験は、長く日本で生活している外国人でも歯が立たないほど難しい。以前、来日20年を過ぎてから第2種免許試験を受け、10回目の挑戦で合格したブラジル人に話を聞いたときも、試験の難しさについてこんな感想を漏らしていた。

「難解な法律用語も出てきますし、引っかけ問題もたくさんあるので、何度も問題文を読み直さないといけません。漢字にふりがなは振ってありますが、問題数が多くて全然時間が足りないです。外国人にはとにかく難しすぎますよ」

ここで言う「引っかけ問題」は、日本人でも難しいので皆さんにも実際に問題を解いてもらいたい。まずは虚心坦懐に、次の正誤問題の答えを考えてみてほしい。 

《問1》赤信号では必ず停車しなければならない
《問2》夜間の道路は危険なので気をつけて運転しなければならない
《問3》車は交通標識を守らなくてはならない

いかがだろうか? すべて○と思った方が多いのではないだろうか。だが、正解はすべて×である。

《問1》は、救急車、パトカー等の緊急車両はその限りではない。

《問2》は、夜間だけでなく昼間も気をつけて運転しなければならない。

《問3》は、車だけでなく歩行者も標識を守る義務がある。

というのがその理由である。

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