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宗教2世「苦悩」を抱え生きる彼らを救う3つの論点 「当事者」だからこそ語れる問題の本質とは

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なお興味深いのは、正木氏がこの問題をLGBTの権利運動とひもづけている点である。

ご存じのようにLGBT、すなわち性的マイノリティは長らく、それどころか現在進行形で差別や偏見にさらされてきた。彼ら、彼女らが自分たちを取り巻く社会の状況を変え、差別や偏見をなくすべくアクティブな活動を開始したのはここ十数年、あるいは最近のこと。LGBTの人たちは、そうやって市民権・公民権を獲得していったのである。

そして、LGBTの運動に発展性や永続性が出てきている理由をうかがわせる話として、正木氏はジェフリー・ウィークスが『われら勝ち得し世界』で行った指摘を挙げている。

彼は、ゲイ解放運動の特徴を述べる文脈において、同性愛が社会的構築によるものであり、その論理的帰結として異性愛の社会的構築を論じる理論が現れたと語った(同書144頁)。これは、同性愛の問題が社会的につくられたものであるのと同じように、異性愛こそが「ふつう」であるという理解も社会的につくられた物語なのだとの主張が現れたという話である。(305ページより)

宗教2世問題も広い視野で受け止める必要がある

ゲイ解放運動は、異性愛こそがあたり前なのだというマジョリティの「ふつう」という感覚や、それを前提とした家族観、制度的性格が同性愛を抑圧してきたことを告発した。マジョリティ側の無意識的な「ふつう」の押しつけが、マイノリティを苦しめてきたわけだ。しかし、それは変えることができるのである。

この考え方は、LGBTの運動の包摂力を高める要因のひとつになったと正木氏は見ているようだ。なぜなら上記のような主張は、異性愛/同性愛という二分法すらも歴史的につくられたものであるという結論を必然的に導き出すからである。

そうなれば、セクシュアリティはもはや同性愛・異性愛だけでは語れなくなる。新たなセクシュアリティが認知されれば、その人たちも含めて議論しようという話になる。Xジェンダーが認知されればXジェンダーが加わるのだ。今後も新しい立場が認知されれば、その都度、新たな人たちは包摂されていくだろう。
同じことは宗教2世をめぐる運動でも起こすことができると思う。なぜなら、宗教2世が受けている被害にも、「親や家族からの加害」の他に「社会からの加害」が影響しているからである。(306ページより)

極論だと感じるだろうか? 少なくとも私はそうは思わない。それどころか、きわめて建設的な主張だと強く感じる。なんについてもあてはまることだが、物事はそれを捉える角度によって見え方が違ってくる。LGBT問題がそうであるように、宗教2世問題についてもまた、私たちはそれをさまざまな角度から捉え、広い視野で受け止める必要があるのだ。

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