男女ミックス試合に勝つ企業、負ける企業 スポーツ界の新ルールが企業に浸透する日

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もちろん、男子5人チームとミックスのチームが戦えば、男子だけのチームの方が強いのかもしれません。スポーツは体格差が大きく影響するため、男女別が一般的です。競技性の強さを求める男性は、ミックスではなく、男性のみの大会に出たがるかもしれません。

でも、ルールが強制的に変われば、男性のプレーの仕方も女性の育成の仕方も、大きく変わってきます。スポーツではあまり想定できませんが、労働人口減少が予測され、女子も入れなくては戦えないという中で、あらゆるポジションの女性比率を引き上げて行こうとする日本の状況は、これに近いのではないでしょうか。

社会では、少しずつ、しかし確実に、ミックスゲームが主流になってきています。あるとき突然、すべてがミックス大会になったときに、「うちは男性のみで戦えばいい」とプレイスタイルや育成方針を変えてこなかったチームは、そのときになって「即席の女性プレーヤー」をそろえようとしても、絶対に優勝することはできないと思います。

男女混合でどう勝つか、常日ごろからそれを考えているチームは、男性条件の練習に女性をぶちこんで「勝手にのしあがってこい」とは突き放すのではなく、女性の体力や状況に合った鍛え方も、他チームに引き抜かれない方策も、きっちり手当しているわけです。

なぜダイバーシティをやるのか

ダイバーシティが企業利益につながるのかについては、様々な研究がされてきています。一般的によく出てくるデータは、女性役員比率が高い会社の株価パフォーマンスがいい、といったものですが、これは実は因果関係が不明です。業績がいい企業が、余裕があって女性活躍推進を進めているという見方もできるからです。

経営学が専門の早稲田大学ビジネススクール・入山章栄准教授は、数々の賛否両論の論文結果を総合的に分析する「メタ・アナリシス」という方法で見ると、「性別、年齢、国籍などの属性による多様性(デモグラフィック型)は生産性を下げることもある」という結果が出ていると指摘します。一方、「能力、技能、知見、考え方や経験などの多様性(タスク型)は生産性を上げる」というのはほぼ経営学者の間でコンセンサスになっているとのことです。

まず、属性の多様性が生産性を下げるのはなぜなのでしょうか。たとえば中年男性ばかりの組織に、外国人や女性がほんの数人入ると、組織内に断層(フォルトライン)ができて、少数派が孤立してしまうと言います。それまで一体感があり、「あうんの呼吸」でできたことが通じにくく、コミュニケーションに手間がかかります。

入山准教授はこれに対して、「見た目でグループが分かれないように、たとえば外国人、年齢、女性など複数の次元の属性の多様性を増やすこと」がひとつの解決策になると言います。

たとえば、ひとつの会議室に中年男性5人と若手女性2人がいたら、もうひとり女性が入ってきたときには結局女性3人がかたまって座り、男性とは距離を置いたままかもしれません。

でも、もし中年日本人男性A・B、中年外国人男性C、若手日本人男性D、中年日本人女性E、若手外国人女性Fという構成だったらどうでしょうか。あとから入ってきた若手日本人女性Eは、若手という意味ではD・Fと、日本人という意味ではA・B・D・Eと、女性という意味ではE・Fと親和性があり、特定の誰かとグループを作らずに済みます。

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