ここで注目したいのが、天気は変えられないけれど、自律神経の働きは自分の心がけ次第で変えられるという点です。自律神経の働きをよくすることができれば、天気などの変化に打たれ強い体を手に入れ、低気圧による不調を最小限に抑えられる可能性がとても高いのです。
自律神経を整えることが、健康につながり、健康な体=低気圧不調に悩まされない体につながる、というわけです。
なぜ、天気によって体調を崩してしまうのか
低気圧不調を招く最大の原因は、気温と気圧の急激な変化です。私たちの体には、気温が上昇しようが南の海上で台風が発達しようが、天候の変化に左右されることなく、体内の環境を一定に保とうとする力(ホメオスタシス)が備わっています。
このホメオスタシスの管理人が、自律神経です。夏でも冬でも、気温に関係なく、体温は約36度に保たれていますよね。これこそが、自律神経の働きです。
暑い夏は汗をいっぱいかいて、体から熱を逃すことで体温を約36度に保ち、寒い冬には血管をギュッと収縮させて、体から熱を逃さないようにして、平熱を保ってくれています。
つまり、気温の変化が大きい日ほど、自律神経はがんばって働いているというわけです。
同様に、気圧の変化にも、体は無意識下で対応しています。気圧について説明すると、気圧とは空気の重さによって押される力(圧力)のこと。日常生活で意識することはほとんどありませんが、私たちの体は常に、約15トンもの圧力を受けています。この圧力をただ受けているだけでは体はぺしゃんこにつぶれてしまうので、外側からかかっている圧力と同じだけの力で、体の内側から押し返しています。
低気圧が接近すると、外側からかかる気圧は下がります。すると、外の環境に呼応するように、内側から押し返す力も下がります。もし、外側と内側の圧力のバランスが崩れたとしたら、その都度、人間の体はしぼんだり膨らんだりすることでしょう。そうならないのは、ホメオスタシスの働きによるもの。これも自律神経が圧力の調整を担っているからなのです。