のぞみ、繁忙期の「自由席廃止」が支持された理由 新幹線の座席トラブルはネット炎上の定番ネタだ

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全車指定席化となれば、少なくともそうした負担は軽減される。乗務員や駅係員の本来の仕事は、ワガママな乗客に対応することではない。一見すると、「旅客の利便性がダウンする」と思えるが、定時運行や安全確保など「快適な移動」のために、体力や精神力を注げるとなれば、ひいてはサービス向上にもつながるのではないか。

10月末をもって、東海道新幹線の車内販売が終了

指定席のみならず、このところ新幹線をめぐっては、変化が相次いでいる。先日は2023年10月末をもって、東海道新幹線での車内販売が終了されると発表され、こちらも大きな話題となった。グリーン車では、スマートフォンなどからの注文販売が提供されるが、ワゴン販売は姿を消すこととなる。

代替手段として、ホーム上などの自動販売機のラインアップが拡充される。「シンカンセンスゴイカタイアイス」の愛称で親しまれる、スジャータのカップアイスクリームなどは、乗車前の入手が中心となりそうだ。

サービス変更の理由としては、飲食物や車内環境の変化に加えて、「将来にわたる労働力不足への対応」も挙げられていた。以前からの「働き方改革」に、コロナ禍によるライフスタイルの変化が重なり、乗務員も出張客も、新幹線利用の位置づけが変わりつつあるのだろう。

加えて、東海道・山陽・九州新幹線では10月から、最大1年先の指定席予約が可能になる。これまでは乗車日の1カ月前に指定席券が発売されていた(発売1週間前から事前申し込みも受け付ける)が、「人気の舞台やコンサート等に合わせ、ご旅行の行程を早く決めたいというお客様のニーズ」に応えるために、発売を前倒しすることにしたという。

サービスのみならず、「乗車体験」にも動きが。この夏には、東海道新幹線の車内チャイムが、20年使われたTOKIOの「AMBITIOUS JAPAN!」から、UAの「会いにいこう」に切り替えられた。

こうした変化は、JR東海が皮切りとなっているが、系統の異なるJR東日本の東北新幹線などは、いまのところ追随していない。JR東海は昨年5月、国鉄分割民営化からの「実質的創業者」と言える葛西敬之氏を亡くしている。もしかすると、一連の変化には「第二の創業期」のような意味合いも持たされているのかもしれない。

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