外国人投資家が日本人より日本株に超強気のワケ 22日の日銀植田総裁の会見にはどう準備する?

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さて、ECB(欧州中央銀行)理事会はすでに14日に終了したが、今週は20日にアメリカでFOMC(連邦公開市場委員会)の結果が、21日には英国の金融政策委員会を筆頭に、インドネシア、トルコ、スイス、スウェーデン、ノルウェー、南アフリカの中央銀行による政策が発表される。もちろん、21~22日は日本銀行の金融政策決定会合があり、終了後は植田和男総裁の記者会見へと続く「中銀ウィーク」だ。

さらに、22日には欧米9月のPMI(購買担当者景気指数)が相次いで発表される。16時15分以降、フランスを皮切りにドイツ、ユーロ圏、英国、アメリカの順番となるが、これらがわれわれに最新の欧州の景気実態を知らせてくれる。

「欧米PMI」「日銀会合」後波乱でも「買い姿勢」変わらず

PMIは文字どおり経済現場の責任者からの情報(アンケート)で、今後の景気動向を予測する先行指数として最もタイムリーでホットな景気指数であることから、筆者はこの指標を極めて重要視している。すなわち「製造業」「サービス業」「製造・サービス2つを足した総合」の3つで成り立ち、まさに現場の匂いを伝えてくれるのだ。

とくに欧州の総合PMIを例にとると、今回は直前8月の改定値が仏46.0(7月は46.6)、独44.6(同48.5)、ユーロ圏46.7(同48.6)、英48.6(同50.8)だった。これらは景況感が上向きかどうかを測る基準である50をすべて下回っているだけでなく、7月からすべて減速している中で、9月の数字が発表されるのだ。

低下傾向にある数字が、一段と悪化するのか。それとも、底入れの兆しが見えるのか。折しも14日のECBでは来年のインフレ率を3.2%と、6月予想の3.0%から引き上げたこともあり、欧州のスタグフレーション進行を印象づけないかと懸念している。

最後に、日銀金融政策決定会合や植田総裁の記者会見をどう予想すればいいだろうか。先週は一部のメディアで「政策変更の可能性あり」の報道がなされたが、午後に否定的な報道もあり、結局は銀行株が乱高下する、激しい値動きとなった。

三井住友フィナンシャルグループを例にとると、14日の終値7459円から、15日は7667円の高値のあと、14時過ぎには7317円の安値をつけるといった具合だ。このことからもわかるように、今回の植田総裁の記者会見は市場サイドではかなり神経過敏になっている。

このように、日経平均は高値を前にして、ごく短期では波乱もありの情勢だ。だが、「下げたら買い」の投資姿勢は変えることはまったくないと思っている。どうせなら、ある程度大きく下げて、目一杯買わせてくれないか、などと言ったらちょっと言いすぎだろうか。

(当記事は「会社四季報オンライン」にも掲載しています)

平野 憲一 ケイ・アセット代表、マーケットアナリスト

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ひらの けんいち

日本証券アナリスト協会検定会員。株一筋約45年。歴史を今に生かすことのできる「貴重なストラテジスト」として、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌への出演や寄稿記事多数。的確な予想で知られ、個人投資家の間には熱烈な「平野ファン」がいることでも有名。1970年に立花証券入社以来、個人営業、法人営業、株ディーラーを経て、2000年情報企画部長マーケットアナリストとして、投資家や各メディアに対してマーケット情報発信をスタート。2006年執行役員、2012年顧問就任。2014年に個人事務所ケイ・アセット代表。独立後も、丁寧でわかりやすい解説を目指す。

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