黒岩知事が「神奈川版ライドシェア」検討を表明 「タクシー不足」深刻化の解決策になるか

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(写真:FNNプライムオンライン)

賛否両論「日本版ライドシェア」の行方

黒岩祐治(神奈川県知事):今、タクシー業界を敵に回して「タクシーは黙っていろ」、「こうやるんだ」というやり方では絶対に物事は前に進まないと思う。私は神奈川版のライドシェア案。ただちょっと雑ではあるが、まとめて言う。1番のポイントは、タクシー会社を巻き込む、一緒にやっていくということ。タクシー会社にまずは運行管理をお願いする。だから、一般のドライバーの車も、運行管理はタクシー会社にやってもらおうということ。

そして、タクシーは不足しているのかと。我々がデータを調べてみたら、タクシーは別に不足していないというデータが出てきちゃう。ところが、何が不足しているかというと、時間帯。この時間帯に集中する。その時間帯に皆さんがタクシー捕まらないっていう思いを持つということ。ちょっとタクシーの車そのものが不足しているのではなく、タクシーの車はあるが、人が、ドライバーが不足しているという問題。そして、この神奈川県の中だけ見ても地域によって実情が全部違う。大きな観光地もあれば、もっとローカルのところもある。全部課題が違う。だから、地域ごとに分ける。

それから、時間帯ごとに分ける。これが1番のポイントになる。そして、一般のドライバーが自家用車で運転してくるが、この人たちのなかでどんな人がいいのか。まずはタクシー会社の人に面接をしてもらう。そして、選んでもらって、あなたはこのドライバーでよいというお墨付きを与えてもらって、しかも、ある程度の研修もしてもらう。そして、それとともに利用者による評価制度も入れる。利用者から、「この人はダメ」と言われたら、もうその人は退場して頂く。こういう流れをつくっていく。

それから、使用車両は、皆様が持っている自家用車になるが、これもタクシー会社に見てもらって、安全管理もタクシー会社にやってもらう。例えば、ドライブレコーダーはついているか? 配車アプリちゃんと参加しているか? 任意保険には入っているのか? など。全部タクシー会社と一緒にやっていくということ。タクシー会社とまずは一緒にやって日本型のライドシェアを作り上げていくところから始まって、みんながそういったものに慣れてきたときに、次のステージに行けるかどうか。これをまずは神奈川県からやっていきたいなと思っている。    

松山キャスター:ライドシェアの運転手の使用者責任のところは、タクシー会社があくまで担うということだと思うが、これは、経済同友会も提言を出していて、「日本版ライドシェア」ということで、タクシー事業者が運行主体となって一般のドライバーを限定活用するというアイディアがそこに盛り込まれているが?

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