東京で深刻「タクシー、全然捕まらない」問題の原因 年末から多発、迎車や配車アプリでも確保困難

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タクシー業界の深刻な問題があらわになっています(筆者撮影)

タクシーが捕まらない――。そんな現象が昨年末から、東京都内で頻発している。これは流し営業に限らず、迎車やアプリ配車にしても同様の事態が起きているのだ。12月という一年で最も売り上げが立ちやすい時期、外国人観光客の戻りなどの要因も重なっていたが、それを抜きにしても慢性的なタクシー不足が発生している。

その理由はどこにあるのか。タクシー関係者の話を拾っていくと、まず見えてきたのは実働台数が大幅に減少しているという点だった。

もともと都内の運転手は、近年では年間1000人超の減少傾向が続いていた。それが2020年には4000人超が減り、2022年に至っては9000人超が職を離れたとされている。2023年を迎えた現在、都内のドライバーは過去最低の登録数となった。つまり、タクシーを稼働したくても、乗務員が足らずに思うような営業ができないという状況に陥っているのだ。

コロナ禍でドライバーが減少

「km」の愛称で知られる業界2位の国際自動車によれば、コロナ禍以降で約600人のドライバーが純減したという。それに伴い、稼働台数は約200台も減った。このドライバー離職による稼働減は同社に限らず、都内のタクシーに共通している問題だ。国際自動車の広報担当者がこう話す。

「乗り場や駅付けするタクシーが減り、1台当たりの実車率(走行した距離のうち、客を乗せて走った距離の割合)もかなり増えています。実車時間が増えたことで、アプリに対応できる件数も必然的に減っている。乗務員の個人の売り上げはとてもよくなっていますが、お客様の需要に対して、供給しきれていないのが現状です。

ドライバーの離職については、コロナで重症化しやすいと言われる年齢の高いドライバーが家族から心配され、早期にリタイアするという傾向がありました。ドライバー採用は急務となっており、弊社でも安全安心のための人の部分に大がかりな投資を行っています」

タクシー協会関係者に聞くと、「業界最大手の日本交通ですら、稼働台数の問題で12月は迎車中心での営業を余儀なくされた。もともと東京都はコロナ禍で台数を減らしていたが、今はそこからさらに2000台近く稼働が減っているのではないか」という。

では、現場で働くドライバーたちはどう感じているのだろうか。

次ページドライバーに聞いてみると…
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