CIA内部告発で命の危機「中東からの脱出」の壮絶 『カンダハル突破せよ』の迫力あるアクション

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これまでは仕事に追われ、なかなか家族を顧みることができなかったトム。妻からは離婚を突きつけられてしまったが、今度こそは娘の卒業式に参加しようと決意する。

だがそんな彼のもとに、イランの核開発を阻止するべく、CIAから新たな指令が告げられる。困難なミッションも見事成功に導くことができるその手腕に「君がいい」と全幅の信頼を寄せられたトムだが、彼自身は家族のことが頭をよぎり「ほかのやつにやらせればいい」としぶる。

そんなトムの気持ちを見透かしたかのように、指令役は大金をちらつかせて「娘は医学部志望だったな。これなら行かせられるだろ」と話す。しぶしぶそのミッションに取り組むことになったトムは、アフガニスタン人通訳のモーとともに、アフガニスタン国境の街ヘラートに向かう。

だがそこに衝撃的なニュースが飛び込んでくる。CIAの内部告発により機密情報が漏えい。工作員であるトムたちの顔写真がテレビなどで大々的に報じられてしまったのだ。もちろんミッションは即刻中止。一刻も早くこの国から脱出しないと命が危ない。

事情もわからず巻き添えとなった通訳のモーとともに、アフガニスタン南部のカンダハルにあるCIA基地を目指すことになった。30時間後に離陸するイギリスのSAS連隊の飛行機に乗り込むことだけが、彼らに残された唯一の命綱だった。だが核開発施設を破壊されたイラン当局は、国家の威信をかけてトムたちを追跡する。

敵も味方も入り乱れた追跡劇

一方、トムたちを捕獲すれば絶好の金づるとなるということで、パキスタン軍統合情報局(ISI)にも「イランより先に捕まえろ」という指令が下される。さらにタリバンの息がかかったゲリラや、金次第で敵にも味方にもなる武装集団など、それぞれの思惑が複雑に絡み合い、敵も味方も入り乱れた追跡劇が繰り広げられる――。

トムをめぐる追跡劇も次第に激しさを増していく ©2022 COLLEAH PRODUCTIONS LIMITED. ALL RIGHTS RESERVED.

本作は、アメリカ国防情報局(DIA)職員としてアフガニスタンに赴任していたミッチェル・ラフォーチュンの過去の経験をもとに、脚本も彼自身が担当。

主人公のトムや、通訳のモーたちをはじめ、本作の登場人物の多くが、彼が中東駐在時に出会った人たちをモデルにしているとのことで、リアリティあふれる人物像も見応えがある。また、アメリカ側からの視点のみならず、追っ手である中東側からの視点を織り交ぜて描き出すなど、単純な勧善懲悪というステレオタイプに陥らない、重層的な人間ドラマも見どころだ。

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