ランキング100位以内で人数が最多だったのは、9位にランクインしたファーストリテイリングで1111人だった。次いで、85位のセブン&アイ・ホールディングスの1068人(2.98%)が続く。
また、800位以内で人数が最多だったのは、いずれもグループ合算の数値ではあるが、日本郵政グループの日本郵政とかんぽ生命保険の6402人(2.35%)。次いでヤマトホールディングス2829人(2.62%)、イオン2065人(2.42%)が多かった。
2021年度の業種別の障害者雇用率を見ると、まず全体平均は2.13%(2021年度の障害者雇用率を開示している1382社が対象)で、2020年度の2.11%(対象1281社)から微増した。詳細は『CSR企業白書』2023年版に掲載している。
対象社数が10社以上で平均雇用率が高い業種は、食料品2.44%(60社)、化学2.38%(111社)、小売業2.37%(95社)、その他製品2.35%(38社)、銀行業2.35%(46社)、陸運業2.34%(32社)、医薬品2.33%(31社)、鉄鋼2.33%(16社)など。これらの業種は、法定雇用率(2.3%)を上回っている。
一方、低い業種は、不動産業1.28%(44社)、情報・通信業1.69%(116社)、証券・商品先物1.70%(11社)、サービス業1.91%(121社)、保険業1.95%(14社)、倉庫・運輸関連業1.95%(15社)などである。
また、企業の法定雇用率「2.3%」を達成している企業は1195社中672社で、2020年度の559社(対象1113社)から増加している。
法定雇用率は段階的に引き上げ予定
2023年版「障害者白書」の推計によると、身体障害、知的障害、精神障害の3区分について、国内の障害者の概数は、身体障害者436万人、知的障害者109.4万人、精神障害者614.8万人となっている。障害には先天的なものもあるが、事故やストレスなどで後天的に生じる場合も多い。誰もが障害を抱える可能性があること、障害は身近にあるものだと改めて認識しておきたいものだ。
厚生労働省からは、障害者の法定雇用率の段階的な引き上げが予定されており、民間企業においては2024年度に2.5%、2026年度には2.7%となる方針が公表されている。障害者雇用率の引き上げに伴い、企業と障害者がうまくマッチングし、より雇用が促進されるような仕組みが重要になるだろう。
ダイバーシティ&インクルージョン、多様性といった言葉が浸透し、それぞれの個性や能力を生かして、誰もが活躍できる社会の実現が当たり前に望まれるようになった。その実現の1つとして、今後さらなる障害者雇用の拡大を期待したい。
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