僕がひきこもりたちと事業をつくってきた理由 社会にもっと「はみ出したままでOK」な場を
「はみ出してしまう人間のおもしろさが好き」と語るのは、従業員全員が若年無業者という「NEET株式会社」を立ち上げたプロデューサー・大学教員若新雄純さん。「はみ出したままでOKな場」をなぜつくるのか、お話をうかがった。
自分を演出することをやめた
――若新さんは学生時代、どのような子どもでしたか?
小学生のころは活発で、勉強もよくできる子どもでしたね。学校の先生だった両親からは「お前はなんでもできる子だね」と言われて、ちやほやされることが多かったです。うれしかった半面、今ふり返ると「なんでもできる特別な人間じゃなきゃいけない」という強迫観念にもなっていたと思います。
中学高校ではそうした相反する思いが顕著になりました。背が高く、バンドも始めて、僕はスクールカーストのトップのほうに居続けようとしていました。ただし「輪の中心にいないと自分に価値がない」、「カーストのトップでいなければならない」という思いが窮屈でもあったんです。「学校生活、充実してます」という自己演出をしながら、実際は深い友人関係を築けていたわけではない。「自分って何だろう、何がしたいんだろう」とずっとモヤモヤしていました。あのころが一番毎日が重々しかったと思います。
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