放課後に自由な時間が「ない」子どもの悲痛な叫び 時代に合わせた「放課後」を楽しく過ごすには?
「また、安全面から先生や保護者が見守るなかでしか友達と遊んだことのない子も多く、もめ事が起きたときに子どもだけで解決する経験が乏しい。嫌なことがあると、すぐに遊びの輪から抜ける子も目立つ」(平岩氏)
一方、渡部氏は「子どもたちが大勢でのびのびと遊ぶ経験を積めば、みんなと遊ぶ楽しさを知り、子ども同士で『どうしたらみんなで楽しく過ごせるか』を考えられるようになる」と話した。
時代に合わせた豊かな放課後を届けるアフタースクール
共働き家庭の増加や地域コミュニティの衰退など、子どもたちを取り巻く環境が変化するなか、令和の子どもたちのコミュニケーション能力や協調性を育むには、どうしたらよいのだろうか。時代の変化に合わせて、子どもたちに安全で豊かな放課後と、さまざまな体験活動を届けているのが、平岩氏が代表を務める放課後NPOアフタースクールだ。
一般的に、学童保育は親の就労が必須とされるなか、放課後の小学校に開校するアフタースクールは親の就労状況に関係なく、1〜6年生の誰もが参加できるため、いつでも仲の良い友達同士で放課後を楽しめる。
多彩なプログラムも特徴で、段ボールを使った巨大迷路制作や、近隣の園での保育士体験など500種類以上のプログラムがある。
また、地域の大人を「市民先生」として迎え、料理や書道を教えてもらうプログラムをはじめ、子どもが身の危険を感じたときに駆け込める「子ども110番の家」への挨拶回りなどの活動を通じて、積極的に子どもと地域住民との接点を作っている。
「地域の大人と子どもが触れ合う機会を持てば、地域社会が子どもたちを迎え入れてくれるようになると考えている」(平岩氏)
一方、子どもを見守りたくても、「声をかけただけで不審者扱いになるのでは」という懸念を持つ人もいる。渡部氏は、「市民先生としてプログラムに一緒に参加していただくことで大人と子どもを結びつけ、互いに声かけしやすい環境作りの手助けをしている。また、地域の方々の生きがいや楽しみの創出にもつながっている」と話した。
また、アフタースクールでは、子どもたちの協調性や自主性を育むために、大勢で遊ぶ練習をするそうだ。最初は1年生を対象に、ドッジボールや鬼ごっこ、大縄飛びなど複数人での遊びを楽しみ、慣れてきたら上級生も入って一緒に遊ぶ。
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