ついに始まった米国「トヨタ信者」のトヨタ離れ EVに買い替えたいのに、その選択肢がない!
トヨタの4~6月期の営業利益は1兆1209億円と、依然として高い収益を維持しているとはいえ、完全なEV(フルEV)の販売は、全販売台数の1%にも満たない。
こうしたEV不在は、世界最大の自動車市場である中国でとくに痛手となっている。中国におけるトヨタの7月の新車販売は前年同月比で15%減少した。
アメリカではトヨタの販売は増加しているが、伸び幅はほかの自動車メーカーよりも小さい。市場調査会社コックス・オートモーティブによると、乗用車市場におけるトヨタのシェアは6月から8月にかけて、前年の15.1%から13.8%に低下した。
トヨタはテスラとBYDに大きく後れを取っていることを暗に認めている。1月に創業家出身の豊田章男が社長兼最高経営責任者(CEO)から退くと決めたことは、トヨタが自動車業界の変革期を乗り切る新たなリーダーシップを必要としていることを認めるものと広く受け止められた。
中国メーカーの進化に大慌て
そうした危機感は4月の上海自動車ショーでさらに増大することになったと、数十年にわたり日本の自動車業界を取材してきたジャーナリストの大谷達也は語る。
ショーに出展された中国メーカーの自動車は音声アシスタントなどの車載コントール機能やエンターテインメントオプションを呼び物にしており、従来の自動車というよりタイヤを履いたiPhone(アイフォーン)のように見えるものだった。日本の自動車メーカーの幹部らは、中国のライバルの進化ぶりを目の当たりにして愕然としたと、大谷は言う。
トヨタは幹部へのインタビュー依頼に応じなかった。