そこで「ともに日本の未来をつくりたいけれど、僕自身は何もまだやれていない。ただ、僕には意志があり、挑戦すれば可能性があるかもしれない。
だから、1カ月に2回ずつ、1年間は食事をおごり合いませんか」と持ちかけてみたら、相手が快諾してくれた。
その相手は、たまたま日本最高のベンチャーキャピタリストとして名高い一人だった。実際に1年間、食事をともにして「最近見聞きし合ったこと」について話し合うことになった。
日本について、世界のトレンドについて、現状のスタートアップの問題について……。時に業界内のゴシップなどの他愛ない話も交えながら、1時間の食事と、その後にお茶をしながらまた1時間。
豪勢な食事でもなく、それこそ800円のラーメンの後に、ドトールコーヒーショップで250円のコーヒーを飲んでいた。1年間でお互いのこともわかり、また自分が知らなかった多くのインプットを得ることができた。
結果的に僕は日本でもトップの実践を持つヘッドハンターになれたのだ。
インプット源をたくさん持つ
この1年間の取り組みは、僕にとって大きな意義があった。
会って話すことが決まっている以上、自分から話のネタを持っていかないと関係がいつ途切れてもおかしくない。相手からすれば、人としての魅力も話の内容もつまらない人になれば、この定例会はいつなくなってしまってもよいものになる。
インプットとアウトプットを常に繰り返せたのも大きかった。
僕という存在は身一つで、持っている時間は24時間365日。相手もまったく同様だ。
僕が常に相手にお願いしていたのは、「一緒に取り組むことがお互いにとって一番にメリットのあることだからやりませんか」ということだ。そして、お互いでちゃんと「やり切った」と思えれば次に進んでいく。
水は上から下にしか流れない。だから、自分にとって一番大事で、一番影響力のあることから始めることが大切だと思っている。枝葉ではなく幹になることに取り組むのだ。
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