スポーツ登場間近トヨタ「クラウン」1年通信簿 大胆なクロスオーバー化は受け入れられたのか

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また後席の快適性や、車内の雰囲気は、これまでクラウンに乗り続けてきた人が安心できる共通性を覚えさせるところがある。単に上級車種に乗っているというだけでない、クラウンという信頼や安心が室内で感じられるのである。この点は、なかなか言葉で表現しにくいのだが、クラウンらしさという心の動きをもたらす開発をよくぞ達成したと思わせる。

今後登場するスポーツ、セダン、エステートの存在

クロスオーバーに続き、今後発売が予定されているクラウンシリーズ
クロスオーバーに続き、今後発売が予定されているクラウンシリーズ(写真:トヨタ自動車)

売れ筋のハイブリッド車は、これまでどおりという安心をもたらす。デュアルブーストハイブリッド車は、より壮快な運転感覚を備え、活力あふれる若い世代の人々にもクラウンを選んでよかったと思える活気を感じさせてくれるだろう。さらにその先に、クラウン スポーツという選択肢がこの秋に加わる予定だ。

現在公開されているクラウン スポーツのスタイリング
現在公開されているクラウン スポーツのスタイリング(写真:トヨタ自動車)
現在公開されているクラウン セダンのスタイリング
現在公開されているクラウン セダンのスタイリング(写真:トヨタ自動車)
現在公開されているクラウン エステートのスタイリング
現在公開されているクラウン エステートのスタイリング(写真:トヨタ自動車)

 

また、正統派的4ドアセダンも、この先登場してくる予定だ。詳細は明らかではないが、その概要からレクサスに通じる高級さを持つ車種になっていくのではないか。

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これまで、ロイヤルとアスリート、そしてマジェスタとして、基本的な構成はほぼ同一ながら、味付けで選択肢を設けてきたクラウンが、この16代目からクラウンという車名の共通性を持ちながら、車格や車形そのものから趣旨の異なる選択肢を設け、グローバルカーとして世界に問うことになった。

そのうえで、クロスオーバー車から体感するのは、やはりクラウンであって、他の国産車でも、輸入車でもない、伝統的なトヨタの味わいを覚えさせるところが興味深い。

さらに先の導入とみられるエステートを含め、新型クラウンは新鮮な興味を持続させる新たな戦略とともに、次の車種を待つ楽しさを味わわせてくれる。

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御堀 直嗣 モータージャーナリスト

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みほり なおつぐ / Naotsugu Mihori

1955年、東京都生まれ。玉川大学工学部卒業。大学卒業後はレースでも活躍し、その後フリーのモータージャーナリストに。現在、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員を務める。日本EVクラブ副代表としてEVや環境・エネルギー分野に詳しい。趣味は、読書と、週1回の乗馬。

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