スポーツ登場間近トヨタ「クラウン」1年通信簿 大胆なクロスオーバー化は受け入れられたのか

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新型クラウンで採用されている2.5Lハイブリッドシステム
新型クラウンで採用されている2.5Lハイブリッドシステム(写真:トヨタ自動車)

特徴のひとつ目は、ハイブリッド車のみでの販売になったということだ。さらに選択肢として、従来のハイブリッドシステムに加え、トヨタ初となるデュアルブーストハイブリッドシステムが追加された。これは、ガソリンターボエンジンとモーターとの組み合わせによる新たなハイブリッドシステムである。

トヨタ初採用となる2.4Lターボ デュアルハイブリッドシステム
トヨタ初採用となる2.4Lターボ デュアルハイブリッドシステム(写真:トヨタ自動車)

これまでのトヨタのハイブリッドは、高効率な自然吸気のガソリンエンジンとモーターを組み合わせることで、最大の燃費性能を狙うシステムであった。それに対し、デュアルブーストハイブリッドは、ガソリンターボエンジンの動力性能を活かした走りのよさが特徴となる。さらに走行面では、伝統的にFRレイアウトを採用してきた歴代クラウンに対し、後輪にモーター駆動を用いる4輪駆動であるのも大きな進化だろう。

新型クラウンに車載されるバッテリーは、先に小型車のアクアでトヨタ初採用となったバイポーラ型ニッケル水素電池を用いる。このバッテリーは、どちらのハイブリッドシステムにも適用される。

グレード別の販売状況について

G“Advanced・Leather Package”のインテリア。内装色はフロマージュ
G“Advanced・Leather Package”のインテリア。内装色はフロマージュ(写真:トヨタ自動車)

グレード別の販売動向について、トヨタ広報からの情報によれば、通常のハイブリッドシステム車の上級車格が人気で、さらに内装がレザー仕様のG“Advanced・Leather Package”が半数以上の54%近くを占める。次いで、新たに登場となったデュアルブーストハイブリッド車のRS“Advanced”、そしてG“Advanced”の順となる。全体的には高額な価格帯の車種が人気を得ている。トヨタ最上級車種のクラウンであれば、それなりの充実した装備を求める気持ちが働くからであろう。

新型クラウンで設定されているバイカラー。写真はブラック✕プレシャスレイとなる
新型クラウンで設定されているバイカラー。写真はブラック✕プレシャスレイとなる(写真:トヨタ自動車)

そのほか、新型クラウンの新たな試みとして採り入れられたのが、2トーンのような外装色の“バイトーン”と呼ぶ車体色だ。こちらは今のところ全体の10%程度の受注で、圧倒的人気は“プレシャスホワイトパール”と名付けられた白単色カラーだ。「いつかはクラウン」という憧れとともに、3代目からの「白いクラウン」の人気は、56年におよぶ象徴的な存在感であるのだろう。

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