「ん? タマちゃんさ、今サラッと言ったけど『神話の世界』って何? さっきは『数千年前の日本』って言ってなかったっけ?」
「何を不思議がってんねん。数千年前の日本といえば神の時代やないか」
「神の時代? なんだそれ!? 日本の神話といえば……『古事記』とか?」
ってことは今は700年代!?
「そう、『古事記』や! よう知ってんなぁ。サムは今、『古事記』の一部を体験してるんやで」
「ええぇー! ってことは今は700年代!?」
「アホか、それは『古事記』が作られた年代や! 『古事記』って名前から考えてみ。もっともっと前や」
「そんな前なのか!」
「まぁ、いろんな時代の出来事が組み合わさって作られたのが『古事記』やけどな。サムは今、虚構と現実の境目を体験してるってわけや」
「なんか急に難しいこと言うな……まぁ『古事記』の内容全然知らないんだけどな……」
「ま、今内容を知っているかどうかはどうでもええ。とにかく、今サムは貴重な経験をしとる。これから大変なこともあると思うけど、一つひとつパズルゲームのようにクリアしていくんやで! ほなね」
タマちゃんは、俺が『古事記』の世界を体験していることを伝えるとまたどこかに行ってしまったようだ。姿は見えないのに、近くにいるかどうかは直感的にわかる。他の人には感じたことがない不思議な感覚だ。
(9月19日の配信の次回に続く)
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