「勉強って何の役に立つ?」へのスッキリする回答 この夏わが子に伝えたい「勉強」というものの正体

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人間は、生きている限り学び続ける生き物です。生まれるとすぐに家庭を中心に学習を始め、やがて学校に通って学びを進めていきます。

学校を卒業して社会に出ても、学びは終わりません。今度は仕事に関わる学習や、豊かな人生を送るための学びを続けることになります。

もし、テストや受験が勉強のゴールだとしたら、それが終われば勉強も終わってしまいます。でも、学びは国語や算数などの教科だけに限られるわけではありません。子ども自身が興味を持っていることをとことん追求する中で気づいたことや、そこから得た知見から発展して、より深まっていくものです。

「学び」は、私たち一人ひとりの生き方そのものに深く関わっています。子どもが学校で学べることは限られています。だからこそ、子ども自身が生涯にわたって学び続けられる力を身につけておくことが大切なのです。

(図版:山中正大・梔図案室)

いくつになっても好奇心を持ち続ける

「学び」を続けるモチベーションを維持する秘訣は、「いくつになっても好奇心を失わないこと」でしょう。学校の勉強や日々の生活などいろいろなところに好奇心のアンテナを張って、「もっと知りたい」「もっと学びたい」という気持ちを持ち続けることです。

わが子だけではなく、親であるあなた自身も、「勉強したい」と思えばいくらでもできます。子どもも親も、好奇心を持って身のまわりの物事を見つめ、学ぶことの楽しさをぜひ見つけていってください。

『勉強の面白さってなんだろう 君たちに伝えたい学びが楽しくなるヒント』(KADOKAWA)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

以上、この記事では、小中学生の子どもを持つ保護者の皆さんに向け、学校や塾で日々勉強に向き合う子どもに対し、「勉強とは何なのか」を伝えるためのヒントをざっと解説しました。

大人である私たちからすれば当然のことなのかもしれませんが、子どもは親の顔色を見ながら「勉強する意義」を見誤り、勉強というものの本来の楽しさを見失っていることも少なくありません。だからこそ、親である私たちは「勉強」というものの意義をしっかり子どもに伝えていかなければならないのです。

無限の可能性を秘めるわが子のためにも、保護者として、そして大人として、「勉強」というものの本質をあらためて考えてみるべきではないでしょうか。今年の夏は久しぶりに外での活動が多くなりました。それは大いに素晴らしいことですが、勉強は机上で行うことばかりではなく、人生がある限りさまざまな場面で続いていきます。「勉強=受験」だけではないということを、今こそわが子に伝えておきたいものです。

高濱 正伸 花まる学習会代表

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たかはま まさのぶ / Masanobu Takahama

1959年熊本県生まれ。県立熊本高校卒業後、東京大学に入学。1990年同大学院修士課程修了後、1993年に小学校低学年向けの学習教室「花まる学習会」を設立。父母向けに行なっている講演会は毎回、キャンセル待ちが出るほどの盛況ぶり。「情熱大陸」(毎日放送/TBS系)、「カンブリア宮殿」「ソロモン流」(テレビ東京)など、数多くのテレビ番組に紹介されて大反響。「週刊ダイヤモンド」(ダイヤモンド社)、「AERA with Kids」(朝日新聞出版)などの雑誌にも多数登場している。『伸び続ける子が育つお母さんの習慣』(青春出版社)、『わが子を「メシが食える大人」に育てる』(廣済堂出版)など、著書多数。

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