菅谷昭・長野県松本市長--放射線による健康被害から守るため、集団移住など福島県の子どもたちの受け入れを検討中
長野県松本市の菅谷昭市長は5月9日、東京都内で東洋経済との取材に応じ、東京電力福島第一原子力発電所事故による避難区域の住民に関連して、「放射性物質からの放射線を子どもたちにできるだけ浴びさせないためにも、子どもたちを松本市に受け入れることができるように前向きに検討中」であることを明らかにした。
菅谷市長は「放射性物質による健康被害を受けやすい子どもたちには、できるだけ放射性物質を浴びさせないことが最も重要」とし、受け入れ可能な体制を整えるべく市で具体案を用意していると説明した。
また、避難を考えている農業従事者に対し、松本地域で農業を続ける希望があれば受け入れることも検討しているという。
菅谷市長は、信州大学医学部で甲状腺がんを専門とする外科医として勤務した後、96年から5年半の間、ベラルーシに滞在。チェルノブイリ事故による小児甲状腺がんで苦しむ子どもたちを治療してきた経験を持つ。以下は、菅谷市長の発言内容。
--福島第一原発を中心に、チェルノブイリ原発事故並みの放射性物質に汚染されていることが判明された地区がある。
子どもや妊産婦などは、できるだけ放射性物質を浴びないことが重要だ。松本市としても、特に子どもを集団移住のような形で受け入れられるためにはどうすべきか、その体制を検討している。福島第一原発周辺の子どもたちは、まずは移住してもらい、大人たちで守ってあげたらどうか。
--家をどうするか、学校をどうするかといった問題が出てくるが。
当然、出てくる。また、親と離れて生活する是非もあるだろう。しかし、何よりもまず子どもたちを放射性物質から守ることが大事だと考える。松本市でどこまで受け入れられるか前向きに検討している。
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