大谷翔平、世界一になっても燃え尽きない凄い理由 WBC日本代表のヘッドコーチが語る実像

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優勝した瞬間は歓喜しても、アメリカチームにメダルが授与されるときには全員で拍手を送ります。感動しているのは私たちだからです。「あなたたちがいたからこそ、こんな試合ができた。ありがとう」と相手を尊重し、健闘を称えるのが侍ジャパン、グッドウィーナーなのです。

チームビルディングもコーチングもテクニックが取り沙汰されますが、わたしは20年前からすべてあり方に集約されると一貫して伝えてきました。

どういうマインドセットなのか、思考なのか。頂点に立つチームは、頂点に立つマインドをつくり上げていきます。チャンピオンはチャンピオンになってからチャンピオンらしくなるのではなく、チャンピオンになる前からすでにチャンピオンなのです。

頂点にたどりつく前から、チャンピオンらしい考え方をしています。だから、チャンピオンらしい振る舞いをしていますし、チャンピオンらしい取り組みをします。結果、ほんとうにチャンピオンになっていきます。

最強のチームというのは結果

最強のチームになるためには、最高のチームにならなければなりません。戦う前からすでに世界一のチームワークがあった。選手一人ひとりが世界一のチームにふさわしいマインドで一切手を抜いていなかった。そういうチームづくりをしたことで、結果的に頂点に到達できたのです。最強のチーム(優勝)というのは結果で、最高のチームというのは目的です。目的達成型の組織があったから、目標が達成できました。

侍ジャパンのメンバー全員が最高のチームを目的にしていたから、安心安全空間ができて、信頼が生まれて、「すごいね。お前もやっているね。おれももっとできるよ」という空気が醸成されていきました。結果、競合国を次々と打ち倒し、気がついたら世界一に到達していました。

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