私たちは出口のないトンネルの中で、後ろの扉を閉ざされて手探りで歩いている。この気持ちがわかるか--東電幹部・飯舘村説明会での一問一答
東電 モニタリングと除染については、道筋としてステップ1、ステップ2ということで取り組んでいく。その期間については、ステップ2までの目標として、6カ月から9カ月程度ということとしているが、その中で、本日、この段階で具体的に、こういう形でモニタリングを行っていくという計画を説明することはできない。みなさんの意見を踏まえながら、具体的な計画について検討しているところである。モニタリングの結果については公表し、また、国にも報告すると言うことをやる。また、除染についてもモニタリングの結果を踏まえて、私どもができる除染を行うということである。
避難区域の解除については、国の判断ということになるが、私どもとしては、私どもが測定した放射線の量を逐次、国に報告して、国のほうで判断するということ。そのように取り組ませていただく。
そもそも、避難措置の判断だが、やはり、基本的には国、もしくは、福島県のほうで判断するということであり、私ども、事業者の役割としては、そういう判断をしてもらうためのデータをきちんと情報として提供するということである。今回の事故についても、その点、私どもが測定したデータ、また、評価を行っているデータについては、すべて、国に報告して、結果として、このような判断がなされたということである。私どもは、事業者としての取り組みをしてきたということである。その点、理解をいただきたい。
質問者7(男性) 飯舘村で百姓見習いをして一年だが、この地を去るのは非常に苦痛である。私の指導者は、自分で開墾して60年間、営々と農業をしてきた。原発事故で、われわれの権利である作付けを制限された。それから、村から出ていけと言われた。これは農民に対して死ねと言っていることである。当然、それに対する損害賠償はきっちりやってもらう。この地を去ることも膨大な損失だ。これも要求する。それから、二年三年、放置したら、この地の田んぼでは米はできない。そういうことを理解してほしい。
体内被曝を測定する機械があるのだから、われわれが避難する前に、責任を持って、東電が設置してほしい。継続的に被曝量を測れるシステムを作ってほしい。
東電 放射線の関係だが、内部被曝の測定器については、会社に持ち帰って検討させて頂きたい。同様に、放射線を継続的に測定するシステムについても、今後の課題ということで、しっかりと受け止めて、会社に持ち帰り、検討したいと思う。
質問者7 検討した結果は報告してくれるのか。
東電 検討結果は、しかるべきときに、はっきりと公表させて頂きたいと考えている。
質問者8 福島県全体のことだが、マスコミ報道にあるように、福島県の子供がいじめられたり、福島県ナンバーの車が差別されたりという風評被害がひどい。そういうものを東電として、マスコミを使って、感染するものではないという正しい知識を広めるべきではないか。
それから、みなさんの回答は「補償します」ということだが、東電の収入は電気料だ、そうした場合、補償金が膨大化すると、一部マスコミ報道にあったが、沖縄以外のすべての地域の電気料金を値上げすると。福島県は除くべきだと思う。
東電(鼓) 風評被害についてはマスコミ等から聞いている。大変に申し訳ないと思う。これから、どうするかは、正しい知識をピーアールしなければならないが、われわれもそういうことを検討させてもらうし、今日、マスコミにも協力をお願いしたい。
損害賠償の支払いについて、集約しているわけではないが、集計するところによると、当社単独では、とても支払えないということで、政府、機構がスキームを検討中だと聞いている。電気料金でやるとか、他の電力会社からの支援を仰ぐとか、国から支援を仰ぐとか、いろんな案が政府の方から出されている。ご意見を即刻伝えたい。いろいろ、意見、ありがたい。