私たちは出口のないトンネルの中で、後ろの扉を閉ざされて手探りで歩いている。この気持ちがわかるか--東電幹部・飯舘村説明会での一問一答

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会場から なぜ、来れないのか。

東電 理由は発電所の収束に向けた指揮ということで…。

会場から ここに対策室をおけ。わかっているのか。

東電 はい、申し訳ない。

質問者3(女性) けっこうな放射線量になっている。いままで避難しろと言われても、避難できない。家族を避難させている人もいるけど、村民は避難できない。挙句の果てに引っ越し業者も村に入ってこない状態だ。風評被害にも受けている。子供の健康を考えて、一生懸命避難させたくても、避難させるすべがない。

あなたたちが勝手に作った原発だ。私たちは東北電力(の電気)を使っている。東電(の電気)はいっさい、使っていない。頭を下げても、それは謝罪とは認めない。内部被曝をしていれば、これから一生、20年、30年後に(症状が)出てくる。これからを担う子供たちが働き盛りのときだ。その子達が一生懸命働いて、子孫を残して、また、村が再生して戻れるときに、そのときまで一生懸命補償してくれることを望む。それが本当の謝罪だ。

東電 ご心配は、よく承知している。補償については、しっかりと取り組んでまいりたい。

質問者4(男性) 地震、津波が起きて、30分ほどで爆発したわけではない。相当の時間があった。東電は、津波を受けてから、どういう対応をしてきたのか。文書でもって、福島県の災害本部、あるいは、関係市町村の災害本部に、速やかに回答願いたい。内容は専門家しかわからないようなものではなく、われわれ、被災者がわかるように、正直に。

社長は賠償責任を逃れたいような発言をしている。とんでもないことだ。役員たちは、これから、われわれと同様に仮設住宅で生活すべきだ。マンションで、うまい物を食って、ふざけんなということだ。少なくとも、原発が収束するまで、われわれと同じ生活をしてほしい。それが人間としての道だろう。私は、鼓副社長の人間としての良心を問いたい。

東電 いろいろ、ご指摘ありがとうございました。先ほど経歴を申し上げたが、私は事務職である。人災という話もあった。個人的な感覚では、そういうように思っているところもある。今後、政府を中心とした事故調査委員会を開催し、その席に全員ついて、責任を追及するということなので、それを待ちたいと思っている。また、役員一同、身を粉にしてということは、私もそう思っているし、できるだけのことはさせていただきたいと思っている。

質問者5(女性) いくら謝罪されても、「はい、わかりました」とは言えない。謝れば済むと言うことでもない。私たちは、原発によって、すべてを奪われて、いま、生きる気力をなくすほど限界に達している。このことに、少しでも、申し訳ない、お詫びしたいということであれば、継続的な、環境を含めた生活の全面的な補償、それから精神的な補償、そして、墓場まで補償してほしい。必ず、そうしてもらいたい。補償問題が長ければ長くなるほど、私たちは前向きに生きることはできない。早急に、この点を示してもらいたい。そして、命を生み出し、育てた女性として、命を第一に考えた原発の解消を強く求めたい。早急な、明快な回答を求める。

東電 補償については、今後、国の方針もあるが、私の気持ちとしては全面的に補償するということで取り組んで参りたい。原発については、今後、どうするかを会社として判断しなければならない時期がくると思う。

質問者6(男性) 私は飯舘村に60年以上住んで、この村を愛してきた。みなさんがたが、今、ご苦労なさっていることは承知している。しかし、責任はあるはずだ。真摯に立ち向かってほしい。一世帯100万円の仮払金は貴重なカネだ。一日も早く、給付すべきだ。わかってもらえるのか。

モニタリング、除染の話だ。いつになったら、きれいな村が戻るのか。それを誰も話してくれない。いつ戻れるのかもわからない。こんなバカにされた話はあるか。みんな、3月14日からバカにされているのだ。行政機関は安全だ安全だと言うが、ついに4月22日に計画的避難区域の指示がされた。それまで、村民は放り出されていた。行政機関も行政機関、電力会社も電力会社だ。最も詳しい者が危険性を指摘しなければ誰が指摘するのだ。電力会社がまず、言うべきだ。その点について、瑕疵があったと思うが、どうか。

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