私たちは出口のないトンネルの中で、後ろの扉を閉ざされて手探りで歩いている。この気持ちがわかるか--東電幹部・飯舘村説明会での一問一答

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質問者9(女性) 避難しろと言われても、自分の土地、家があっても、やっと生活している状態だ。どうしようもない。一週間避難した人たちをみて、もう、(家から物を)盗まれたとか聞いている。それは不安だ。そして、家族がバラバラになってしまう。そういうことの悔しさを東電にわかってほしい。

飯舘に生まれて、死ぬまでいるつもりだった。何年すぎたら戻れるのか。ある程度でもいい。これからのことをお願いしたい。

東電 先ほど工程表について説明した。私どもとしては、今、これに向かって全力で取り組むとしか申し上げるしかない。申し訳ない。 
 
質問者10(若い男性) なぜ、すぐに調べにこなかったのか。5人ほどで、すぐに調べられるだろう。今まで何をやっていたのか。

我が家は農業をやっている。小さい子供もいる。ここにいる人たちは被曝している。仕事はすべて失った。精神的な苦痛はとんでもない。慰謝料も仮払いで払ったらどうか。いまさら謝罪にきて、どう見ても誠意はない。あなたたちには仕事はあるが、私たちにはなくなっている。お金は入ってこない。

質問者11(男性) 補償金は支払うと言うが、その一方で、東電の社長は4月28日、「免責条項を使う」ということがあり得ると新聞報道されている。どちらなのか。免責とは、私は損害賠償はしませんということだ。しかし、みなさんは賠償責任を真摯に行うと。みなさんのことは信用できない。どちらが正しいのか。

真摯に対応するならば、明日にでも社長発言を取り消さないと。その文書を村長に、それから報道機関に流してほしい。

福島と言うだけで人権侵害を受けている。われわれは死ぬまで背負うことになる。みなさんは腹を据えて、きっちりやってもらいたい。

東電 社長発言は直接聞いていないのでわかりかねるが、あとで聞いてみたい。東電としては、補償は当然行う。

土壌の取り扱いについては、重要な問題だと心得ている。これから環境測定の中で、どれほどの放射性物質を含んでいるのかを測定し、その扱いについてはきわめて重要な問題なので、国、県、または関係市町村、専門家と相談しながら対応したいと考えている。

質問者11 回答していない。社長は発言している。事実でないならば、撤回するのか、それとも撤回しないのか。

東電 原子力賠償法に関連する社長発言は、われわれも直接聞いていないのでわからない。確認したいと思う。ただし、原子力発電所事故においては、地震、津波で起こったようなケースでは、電力(会社)が直接賠償するというのもあるが、たぶん、社長が言ったのは「異常に巨大な天災事変があった場合」というときに適用されるということを言ったのではないかと推察される。質問内容については、しっかりと調べないといけないと思う。確認のうえ、回答したい。

質問者11 文書で村長のもとに送ってもらえるか。それは損害について真摯に対応するということと整合性が合わなくなってくるので、きっちり伝えてほしい。文書でもらえるか。

東電 賠償については、われわれ単独で、ああする、こうするとできない状況にある。国ともしっかりと相談してやっていくというのが基本であり、国のほうでも、第一段階の指針を公表した段階である。それをわれわれは受け止めているということであり、われわれとしては、逃げずに、しっかりとやるということをお答えしたい。

質問者11 社長が言ったのかどうか。その回答書を。

東電 確認して、回答する。

質問者12 私は酪農を営んでいる。私にかぎらず、農家はみんな二人三脚で頑張ってきた。ここに来て、放射能を浴びて、このまま、ずっと、テレビなどで飯舘村は数値が高いと示されていたにもかかわらず、「まる」で囲った地域しか補償しないとか言われた。私は牛を飼っていて、爆発した時点で、この村を出たいと思った。でも、私は牛に食べさせてもらっているのだから、牛を牛とは思っていない。自分の子供と一緒だから、自分が死ぬしかないと思っても、逃げることもできなかった。

この村はもう汚染されている。畑の土を移動したとか、ひまわりを植えた、菜の花を植えたとかいうことで、元に戻るのならば、誰が苦労するか、誰がやるか。畑はそれでよくなったとしても、山はどうするのか。山の土も移動するのか。そんな簡単なことではない。それに、私らは放射能など望んでいない。そんなものはいらないから、同じ家と働く場所を確保してもらえば、何も言わない。

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