変形地で「トンデモ物流施設」が開発される事情 「投資過熱」の異常相場はついに終焉を迎えるか
「まさかこんないびつな土地で物流施設を開発するとは」。ある大手デベロッパーの幹部は、図面を見るなりそう舌を巻いた。
機関投資家の投資意欲が過熱したことで、2020年頃から首都圏では物流施設の開発ラッシュが加速した。複数の不動産ファンド関係者は「コロナ禍でも安定稼働していた物流施設への投資意欲は高い」と口を揃える。流入する莫大な投資マネーを求めて、やがて開発適地とはいいがたい「いびつな変形地」で物流施設を開発するデベロッパーも現れる。
2022年11月に竣工したがテナントは決まらず
千葉県柏市の柏インターチェンジから約2.4キロメートル。東急不動産の大型物流施設(2023年9月竣工、延べ床面積は約1万坪)や、ヒューリックの物流施設(2023年12月竣工、延べ床面積は約6000坪)が開発されている物流施設の集積地の一角に、変形地の物流施設があった。
事業主体はビル開発などを手がける中堅デベロッパーであり、物流施設の開発には2020年頃に参入した後発組だ。物件そのものは2022年11月に竣工しているが、2023年8月中旬時点ではテナントがまだ決まっていないようだ。
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