前屈も振り返る動きも、できなかったからといって日常生活で困ることはありません。逆に困らないからこそ、そうした動きができなくなるのですが、どうでもよさそうな動きでも、それができないと、どこかに過労状態のこわばり筋が生じて痛みや不調の原因をつくります。
こうしてできたこわばり筋が日常生活で自然に解消されることは、残念ながらありません。ピンポイントで刺激しないかぎり、こわばった筋肉はこわばったまま。だから痛みや不調が消えないのです。
最短10秒、厳選されたほぐし方で痛みや不調にすぐ効く
こわばり筋は日常生活では自然にほぐれないと申し上げましたが、ではいったい、何をすればいいのでしょうか。
こわばり筋の困ったところの1つが、痛みや不調を抱えた部位に原因があるとはかぎらない点です。たとえば「生理痛がしんどい……」とおっしゃって来院された方の多くは、太ももにある大腿四頭筋がこわばり筋になっていました。たとえ患部とこわばり筋が同じ部位だったとしても、のばすのか、押すのか、引っぱるのか、最適な刺激法を選択しないと、うまくほぐれません。
しかもセルフケアの場合、筋肉や骨、神経や血管などの位置を踏まえて的確に刺激するのはなかなか困難です。もちろん、複雑な動きがあったり準備が必要だったりすると、やる気すら起きないでしょう。
こわばり筋ほぐしの多くが10秒でも痛みや不調にすばやく効くのは、短時間でひとりでもラクにできる、最も効果的な刺激法を見つけ出したからです。痛みや不調でしんどいときは、疲れることやめんどうなこと、時間のかかることなんてできませんよね。そういった患者さんの事情も踏まえて磨き上げたセルフケアが、こわばり筋ほぐしなのです。
来院された方のなかでも、大丈夫なふりをして生きてきた方ほど、症状の詳細を説明できません。おっしゃるのは「肩がこるんです」「腰が痛い」くらい。
しかも長期間患っていたことで、治ることを半ばあきらめていたり否定的な態度だったりします。とくに高齢の方ほど、その傾向にありました。
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