大型連休の被災地にボランティアが結集、住民も自主的に支援物資配布活動
東日本大震災の被災地には、この5月の大型連休のさなかに、多くのボランティアが全国から集結している。中でも宮城県石巻市には、最も多くのボランティアが入っていると見られ、市内のあちこちで炊き出しや津波の被害に遭った家屋からの家財道具の運び出しやヘドロの掃き出しに精を出している。
ボランティアが集結しているのが、石巻専修大学のキャンパス。無数のテントが張られ、全国から集まった有志が寝食を共にしている。
■続々と訪れるボランティア(石巻災害ボランティアセンター=石巻専修大学内)
■永曽雅一さん(左端)とボランティア活動の仲間
滋賀県在住の永曽雅一さん(32)は、山登りの仲間とともに4月28日から石巻市内の住宅からの家財道具の運び出しに従事。30日には、日本製紙石巻工場付近の家屋の庭先から泥や流入したパルプの掃き出しを、8人のチームで1日がかりで終えた。永曽さんの母も1日遅れで合流し、30日から料理店の厨房内の掃除にたずさわった。
小山工業高等専門学校准教授の山西敏博さん(47)は、学校のある栃木県小山市から自家用車で延べ1000キロメートル以上も走って被災地域を巡回。編集したビデオを授業で活用している。
「ボランティア活動に取り組みたいと考えている学生も少なくない。私が事前にきちんと調べることで、学生のボランティア活動につなげたい」と山西さんは話す。
外国からも支援者が訪れている。設備工事会社の現場監督を務めるビルマ(ミャンマー)人のタン・スエさん(48)は、「困っている日本の人たちの役に立ちたい」と語る。約40人のビルマ人仲間とともに石巻市にやってきた。
■石巻市にかけつけたビルマ人のボランティア。難民認定申請者が多い
同じビルマ人で中華料理店コックのマイ・チョーウさん(44)は、岩手県陸前高田市の避難所で約300人の避難住民にビルマ料理を振る舞ったのに続き、今回も300人分の食材を用意した。「ビルマ料理をとてもよろこんでくれた」とチョーウさん。スエさんは仲間から集めた義援金150万円も被災地に手渡すという。