広汽トヨタのEVシフトが出足でつまずいたことは、広汽集団にとって頭の痛い問題だ。広汽集団の決算報告書によれば、2023年上半期(1〜6月)のグループ販売台数は116万3000台。広汽トヨタは、その約4割の45万2800台を占める稼ぎ頭だからだ。
中国の自動車市場ではEVの需要急増に伴い、エンジン車の市場が縮小の一途をたどっている。その影響により、広汽トヨタの上半期の販売台数は前年同期比で9.5%減少した。
広汽集団の2023年1〜3月期決算では、純利益が前年同期の半分の15億3800万元(約302億円)に落ち込んだ。その要因について、同社は「合弁ブランド車の販売減少と利益率低下が響いた」と釈明した。
高まる外資凋落の懸念
外資系合弁メーカーの製品ラインナップは、広汽トヨタを含めて現在もエンジン車が中心だ。中国メーカーに比べたEVシフトの遅れは明白であり、凋落への懸念が高まっている。
「合弁メーカーが中国市場で成長するためには、中国の消費者のニーズに応える車を迅速に開発しなければならない。EV化とスマート化で挽回を図ることが焦眉の急だ」。広汽集団の総経理(社長に相当)を務める馮興亜氏は、2023年4月に開催されたフォーラムでそう述べ、危機感をあらわにしていた。
(財新記者:戚展寧、謝韞力)
※原文の配信は7月25日
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら