中国自動車大手「広汽集団」、大幅減益の背景事情 トヨタ・ホンダとの合弁会社の不振が痛手に

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広汽集団はかつてトヨタ、ホンダとの合弁をテコに急成長を遂げたが、中国市場の変化への対応が遅れた。写真は広東省広州市の本社ビル(同社ウェブサイトより)

中国の国有自動車大手の広州汽車集団(広汽集団)は1月10日、2024年12月期の通期純利益がわずか8億~12億元(約172億~259億円)にとどまるとの業績見通しを発表した。これは前年比で約7~8割の大幅減益を意味する。

広汽集団の説明によれば、自動車業界の価格競争激化や(スマートカーの人気上昇など)競争条件が変化した影響を受け、販売台数が減少したことが響いたという。

これに先立つ1月3日、同社は2024年のグループ販売台数が前年比2割減の200万3000台だったと発表していた。

価格競争がエスカレート

実際、自動車業界の価格競争はエスカレートする一方だ。自動車販売の業界団体である中国乗用車市場信息聯席会の崔東樹・秘書長によれば、中国市場では2024年に227車種ものクルマが値下げを実施。その数は2023年に比べて79車種、2022年との比較では132車種も増加した。

広汽集団に関しては、それに加えて広汽トヨタおよび広汽ホンダという2つの外資系合弁会社の販売不振が痛手になった。両社の品揃えはエンジン車が中心で、EV(電気自動車)やPHV(プラグインハイブリッド車)の本格投入が遅れたためだ。

その結果、2024年の販売実績は広汽トヨタが前年比22.3%減の73万8000台、広汽ホンダが同26.5%減の47万600台に落ち込んだ。

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