中国の国有自動車大手の上海汽車集団(上汽集団)が、長年守ってきた中国首位の座から転落しかねない苦況に直面している。
同社が8月9日に発表した販売速報によれば、7月のグループ販売台数は25万1000台と前年同月比37.2%も減少。6月と7月の2カ月連続で、単月の販売台数首位の座を比亜迪(BYD)に明け渡した。BYDの販売台数は6月が34万2000台、7月も同じく34万2000台だった。
上汽集団の販売の主力は、ドイツのフォルクスワーゲン(VW)との合弁会社である「上汽VW」や、アメリカのゼネラルモーターズ(GM)との合弁会社である「上汽GM」、「上汽GM五菱」が生産する乗用車だ。
そのほかにも、子会社の上汽乗用車が独自ブランドの「栄威(Roewe)」や買収により取得したイギリスの老舗ブランド「MG」の乗用車を生産・販売。さらに、EV(電気自動車)専業の智己汽車科技(IMモーターズ)と飛凡汽車科技(ライジングオート)も傘下に持つ。
猛追するBYDが逆転も
上汽集団の年間販売台数は、2018年の705万2000台をピークに減少し続けている。2023年の販売台数は502万1000台と18年連続で中国首位を守ったものの、5年前に比べて約200万台も縮小した。
2024年に入ってからも販売の落ち込みに歯止めがかからず、1月から7月までの累計販売台数は前年同期比15.9%減の207万8000台だった。
それとは対照的に、BYDは得意のPHV(プラグインハイブリッド車)やEVの販売を伸ばし続けている。2023年の販売台数は302万4000台と上汽集団とは約200万台の落差があったが、2024年1~7月は195万5000台を販売してその差を12万3000台に縮めた。
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